漫画、アニメ、同人誌の部屋

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アニメ化間近のモテ女子×禁欲男子のラブコメ漫画『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』は魅力的なキャラが満載!!

出典:©久世蘭 TVアニメ『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』公式サイト

概要

『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』は久世蘭による日本の漫画作品で、2020年に読み切りが『週刊少年マガジン』に掲載された後、好評を受けて2021年に連載が開始されました。略称は「メダかわ」。久世蘭にとって初のラブコメ作品であり、物語は誰からも好かれる容姿である美人なヒロイン川井モナが、しかめっ面で感情を表に出さない主人公黒岩メダカの堅物な顔面の皮を剥がして「可愛い」と感じてもらうためにあの手この手で彼にアプローチする様子を描いています。

この作品は、ラブコメ要素やキャラクターの個性が話題となり、2021年にコスプレイヤーえなことのグラビアコラボも実施されました。特に川井モナをコスプレイヤーのえなこが見事に再現したことが注目を集めました。

単行本は好評を博し、2024年10月時点で累計発行部数は170万部を突破しています。

2025年にはアニメ化も決まっている人気ラブコメ作品です。

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あらすじ

『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』は、容姿端麗でスタイル抜群の美少女・川井モナが、転校生の黒岩メダカを振り回したり振り回されたりする青春ラブコメディ。モナはこれまで周囲から「かわいい」とチヤホヤされてきたが、何故かメダカには全くその魅力が通じない。そんなメダカに対し、モナは彼を振り向かせるために自分の可愛さを駆使して奮闘するが、メダカの無反応にますます焦り、同時に彼を意識していく。実は、黒岩メダカはお寺の生まれで修行中の身のため、女子と関係を持つことは戒律で禁じられていた。しかし表情に出ないのと、戒律で必死に自分を戒めているだけで内心ではモナを意識しており、煩悩と戦いながらもメダカ自身彼女に惹かれていく。無愛想で鉄面皮な態度を取る彼だが、その実優しく他人想いなメダカの心に触れていくうちに、モナの中で意地だったものがどんどん恋心へと変化していってしまう。そんな事をしているうちに後輩女子の湘南旭を始め、周囲にはメダカの良さに惹かれた彼を狙う女生徒が集まってくるようになって――。お互いが意識し合いながらも絶妙にすれ違う、コミカルでドキドキする恋愛模様が展開するこの作品。禁欲男子とモテ女子の微妙な関係が、笑いと胸キュンを引き起こす新感覚ラブコメディ。

主要キャラクター紹介

◆黒岩 メダカ(くろいわ メダカ)
  • CV: 岩崎諒太
  • 学年: 高校2年生
  • 特徴: 三白眼、毛先が尖った髪型、しかめっ面が多い、猫好き
  • 性格など: 寺生まれで戒律があり、女子と仲良くしてはいけないと思っている。感情表現は少なく、一見すると冷たげな印象を与えるが、実は内心では感情が豊かな方で、他人想いな優しい性格の持ち主。戒律や慣れの問題でモナたちからのアプローチには動揺してしかめっつらになる一面も。女子に好意を持たれていることにはあまり気づいていない様子だが、次第に自分の気持ちに向き合っていく。
◆川井 モナ(かわい モナ)
  • CV: 芹澤優
  • 学年: 高校2年生
  • 特徴: 美少女、スタイル抜群、関西弁
  • 性格など: 一見すると意識高い系の都会風だが、実は関西弁が素に出る息を吐くようにモテる女子。負けず嫌いでやや嫉妬深く、メダカに恋していることに気づきテンパりながらも彼に積極的にアプローチするようになる。初めは彼女を見ても微妙な反応しか見せない彼を意地でも「オトそう」と恋心関係なく試みるが、その過程を通じてメダカの優しさや彼の内面に触れ、次第に本気で彼に恋していく。強気な態度の裏には、純粋で一途な一面がある。
◆湘南 旭(しょうなん あさひ)
  • CV: 雨宮天
  • 学年: 高校1年生
  • 特徴: 小柄、バスケ部エース、学業成績トップ
  • 性格など:構内の廊下ですれ違ったメダカに一目惚れして彼を追いかける後輩少女。小柄だが女子バスケットボール部のエースであり、成績も優秀。性格は冷静でクールだが、メダカに対しては緊張して照れてしまうことが多く、借りてきた猫みたいになる。恋愛に対しては積極的でモナに対して恋のライバル宣言をし、メダカに対して積極的にアプローチする姿が見受けられる。
◆難波 朋(なんば とも)
  • CV: 矢野妃菜喜
  • 学年: 高校2年生
  • 特徴: ショートカット、巨乳、セクシー
  • 性格など: 明るく、積極的で小悪魔的な一面がある少女。モナが大阪にいた際の幼馴染の親友で、最初はモナの恋を応援していたものの、学園祭での旭の指摘をきっかけにメダカに対して自分も恋心を抱いている事に気が付いた、次第に彼にアプローチを仕掛けていく。モナには申し訳ないと思っていたがゆえに、正直に伝えてモナの理解を得た。
◆春野 つぼみ(はるの つぼみ)
  • CV: 花澤香菜
  • 学年: 高校2年生
  • 特徴: ゆるふわショートカット、美乳
  • 性格など: おとなしく控えめな性格だがモナのファンで、彼女を熱狂的に応援している。モナがメダカに恋していることに気づき、彼女の恋を支えるために動く。学園祭のミスコンで注目を浴び、学内で少し人気が出る。周囲には控えめに振る舞うが、裏ではモナの隠し撮りをしていたりする。
◆白浜 美波(しらはま みなみ)
  • CV: 前田佳織里
  • 学年: 高校1年生
  • 特徴: 姫カット、天然気味
  • 性格など: 天然でおおらかな性格をしており、旭の恋愛をサポートするために尽力する。バレンタインのチョコに悩む旭のために、自らモナに協力を願い出るほど。あっさりとしているが、恋愛に関しては友達を支えるために積極的に動く面倒見のいい少女。
◆品川 杏莉(しながわ あんり)
  • CV: 未発表
  • 学年: 高校2年生(蓮水高校)
  • 特徴: 金髪ボブカット、シンガーソングライター志望
  • 性格など: かなりのお嬢様校である蓮水高校2年の女子生徒。自由奔放で強制を嫌うタイプの性格。強制される勉強に反発して逃げたところでメダカと出会い、彼をアリバイ要員として家庭教師に仕立て上げた。将来の夢はプロの歌手。アコースティックギターを弾いており、銀座のクラブで前座として歌わしてもらったりしている。
◆青葉 花梨(あおば かりん)
  • CV: 未発表
  • 学年: 高校1年生(新入生)
  • 特徴: ツインテール
  • 格など: 杏莉の従妹で新入生のツインテール少女。モナと同様なタイプであざと可愛いキャラを演じているが、姉のモナを見慣れているため弟のマオには通じず動揺して二人に敵意を持つようになる。
◆小早川 翔(こばやかわ しょう)
  • 年齢: 高校2年生
  • 特徴: 眼鏡、ノリが良い、面白がり屋
  • 性格: メダカの友人で、彼のクラスメイト。常に「戒律戒律…」と口にするメダカに対して、面白がりながらもいろいろとアドバイスをしている。学園祭のミスコンでは司会を務めるなど、ノリが良く周囲を盛り上げるムードメーカー的な存在。モナのファンでもあり、多くの女生徒にモテているメダカによく嫉妬している。姉がいるが、日常的に彼女に振り回され買い物の荷物持ちをさせられるなど、少し気苦労も多い。

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作品の見所とテーマ

1. キャラクターの魅力と成長

川井モナ(ヒロイン)

モナは見た目、スタイルの全てが完璧で学校では誰もが彼女に惹かれる「モテ女子」最初は自分がモテることが当然だと思い、メダカを振り向かせることに執着します。しかしなかなか反応を変えないメダカに、次第に彼女のアピールはどんどん過激になっていく一方に。そんな中、メダカのさり気無い気遣いの行動や言葉がモナの行動を落ち着かせてくれます。最初はプライドからの行動に固執していただけの彼女でしたが、メダカとの時間を通じて彼の内面を知っていくうちに次第に本気でメダカに恋をするようになります。モナの成長はこの漫画の大きな見どころで、最初の「振り向かせたい」という欲望からメダカの事をもっと知りたいという純粋な恋心の気持ちへと変わっていく過程が魅力的に描かれています。

黒岩メダカ(主人公)

メダカはお寺の息子で、煩悩を捨てる修行のため女子と関わることを避ける男子。モナの可愛さに全く反応せず、彼女のアピールにも無表情で答えるため、最初は「無反応な男」というイメージと印象を与えてきます。しかし、実は内心ではモナに惹かれており、彼女に対する無関心さは修行から来る「禁欲」の一環。物語が進む中で彼の気遣いや他人を想いやれる優しさなどに加え、モナへの素直な気持ちが少しずつ見え隠れし、結果的に彼も恋愛において大きく成長する姿がじっくりと描かれています。

2. ベタなラブコメ展開の中での新しさ

物語の展開自体は「モテ女子が振り向かない男子を追いかける」という、王道的なラブコメの流れですが、その中に独自の面白さと深みが存在しています。モナの可愛いアピールがどんどん過激になり、例えばバニーのコスプレやセクシーな攻撃など予想外に大胆な行動を取る場面も多く、メダカがそれにどう反応するかが見どころポイントの一つ。モナの「可愛い」を超えて、他のヒロインともども本当の意味での恋に近づいていく過程が描かれているのですが、メダカの反応や心の中を知ることで登場人物たちの恋の行方にますます引き込まれていく事ができるのです。

3. 恋のライバルたち

モナにはメダカを巡ってライバルも次々と登場します。特に、成績優秀でスポーツも得意な小柄でクールな後輩の「湘南旭」や、モナの幼馴染の友人である「難波朋」といったキャラクターが恋愛模様に密接に絡んできます。旭は最初から堂々とモナにライバル宣言し、メダカとの距離を一気に縮めようとする一方、朋はモナの恋を応援する心強い味方でしたが、次第に朋自身もメダカの魅力に惹かれている事に気づいてしまい、自身の感情にも混乱をきたしてしまう場面が描かれています。これらのキャラクター同士の心の関係性や目に見える競争の激化も物語を面白くさせており、特にモナと旭、モナと朋の友情やライバル関係などが絶妙に描かれています。

4. 心理戦とキャラクターの心の葛藤

この漫画の面白さは、恋愛模様だけでなく登場人物の心の葛藤にも存在しています。特にメダカがモナに対して無関心を装っている理由が、修行と禁欲から来るものであり、最初は単なる拒絶反応に見えるものの、話数を追うごとに彼の心の変化が見て取れるのは非常に物語を楽しめるポイントの一つ。一方でモナは、自分が振り向かせようとする対象であるメダカに対して、最初は意地やプライドから行動していましたが、徐々に本物の恋に変わっていく過程と、恋愛における「駆け引き」や「心理戦」の要素が上手く混ざり合ってラブコメとしての面白さをより一層引き立てています。

5. コミカルでキュンとする展開

漫画のトーンは全体的にコミカルで軽快ですが、メダカたちの心の動きに合わせたように時折見せる真剣なシーンや、登場人物たちが自らの気持ちを自覚する瞬間にグッと胸が締めつけられるような感動を与えて貰えます。更にモナのメダカに「可愛いと思ってもらいたい」という必死な努力に対して、メダカが徐々に心惹かれていく過程がとても可愛くコミカルに描かれています。メダカがモナの不器用なアピールに対して、心の中で反応しているシーンは思わず笑ってしまうシーンとなっています。

6. テーマ:成長、恋、そして自己理解

『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』の大きなテーマは、恋愛における自己理解と成長です。モナは最初、自分の「可愛い」を武器にしてメダカを落とそうとしますが、その過程で変化した彼女の心が本当は何を求めているのか、何をどうしたいのか考え直すような描写が見えます。結果的にモナとメダカはお互いにゆっくりと成長し、他の登場人物含めて恋愛に対する向き合い方に悩みつつも心を近付けていく過程が綿密に描かれています。物語の中でキャラクターたちが自己理解を深め、恋愛を通じて成長していく過程が丁寧に描かれており読者も共感しやすいストーリー展開となっています。

まとめ

『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』は単なるモテ女子の恋愛奮闘記ではなく、キャラクターたちの個性と魅力をコミカルに表現し、成長と心の葛藤を描いた誰が読んでも楽しめる要素満載のラブコメディです。モナの健気な努力、メダカの禁欲的な心の葛藤、そして周囲のライバルたちとの関係が絡み合い、物語は一筋縄ではいかない展開に。ベタなラブコメの道筋という王道をしっかりと取り入れつつ、キャラクターの内面を丁寧に描き、魅力あふれる作画でもって、思わず笑顔になってしまうような作品となっています。

2025年にはアニメ化も決まっているので、ぜひこの機会に一度読んでいただきたいおすすめの作品です。

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ボチってもらえると嬉しいです!

葛藤と覚悟、絶望の中にひと筋の希望を見出す物語 ライトノベル原作、アニメも絶賛された『86-エイティシックス』の素晴らしさとは何か。

出典:©2020 安里アサト KADOKAWA Project-86 アニメ公式サイト 

概要

86-エイティシックス-』は、安里アサトによる日本のライトノベル作品で、イラストはしらび、メカニックデザインはI-IVが担当しています。電撃文庫KADOKAWA)より2017年2月から刊行されており、各巻の冒頭部分が電撃文庫マガジンに連載されています。また、同誌およびカクヨムでは外伝も連載されています。

メディアミックス展開

86-エイティシックス-』は、戦争を舞台にしたディストピア世界でのストーリーを描いた作品で、機械兵器と人間の兵士が戦う中、主人公シンエイ・ノウゼンが根深い闇を抱えた自身の心と向き合うまでの成長と苦悩、そして仲間との絆を描いています。また、物語のテーマには、人間の尊厳、戦争の無慈悲さ、社会的格差、そして異能を持つ者たちの葛藤が色濃く表れています。

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あらすじ

86-エイティシックス-』は、星歴2148年のディストピア世界を舞台に、サンマグノリア共和国と隣国ギアーデ帝国との戦争を描いた物語。共和国は、ギアーデ帝国が投入した完全自律型無人兵器「レギオン」に対抗するため、同じく無人兵器「ジャガーノート」を投入し、表面上は流血のない戦場を作り出す。しかし、その裏で共和国は差別的な政策を行い、白系民族以外の少数派を「エイティシックス」と呼び、彼らを戦場に送り込んでいた。

「エイティシックス」とは、共和国から“排除”された少数派民族の少年少女たちで、無人兵器に搭乗して命を懸けて戦い続ける存在。彼らは共和国85行政区の外に追いやられ、命を奪われる運命にあり、次々と仲間たちを失いながら戦場を生き抜いている。その中でも、東部戦線第一戦区の「スピアヘッド戦隊」は、任務成功率0%、任務期間無制限という“特別偵察任務”を課され、実質的な死刑宣告を受けている。

スピアヘッド戦隊のリーダーであるシンエイ・ノウゼンをはじめ、ライデン・シュガ、セオト・リッカ、アンジュ・エマ、クレナ・ククミラなどのメンバー達は、過酷な戦場で数を減らし続けながらも、戦いを選び続ける。彼らにとって戦場は唯一の居場所であり、希望や未来を追い求めることはなく、ただ生きるため、戦い続けることを選んでいる。

一方、白系民族でありながらその差別政策に疑問を抱く士官ヴラディレーナ・ミリーゼは、エイティシックスが所属する部隊の管制任務を任されることになる。彼女は、次々と退役者や自殺者が出る中、スピアヘッド戦隊の「死神」と呼ばれるシンの存在と、その戦いの真実を知ることになる。

戦争の真実、差別と搾取、そして命を賭けた戦いの中で、スピアヘッド戦隊の少年少女たちが踏み入れた新天地での出来事が、皮肉にも彼らの望む未来を与えることとなっていく――。

◆シンエイ・ノウゼン
  • パーソナルネーム:アンダーテイカー(死神)
  • 年齢:16歳
  • 外見:黒髪、赤い瞳、首元には空色のスカーフを巻く。
  • 特技:異能で死者の声を聞く能力を持ち、戦闘では卓越した操縦技術を誇る。

シンエイ・ノウゼンは86の一員で、スピアヘッド戦隊の隊長を務める16歳の少年。とある兄に関係した一件により、異能に目覚める事になるが、常にその能力が与える苦痛に悩まされている。シンの「死者の声を聞く力」は、戦場で無数の命を奪った戦士たちの魂の叫びを彼の耳に響かせ、精神的に追い詰める原因となってしまっていた。しかし同時にこの異能は戦場では非常に有効であり、彼を「死神」と呼ばれるほどの戦闘の名手へと育て上げる事に。シンは幼少期、両親と兄を戦争で失い過酷な環境で育ったためか、感情を表に出すことは少なく、一部では冷徹な性格を持つ。しかし、仲間に対しては深い絆を感じており、彼の指揮は周囲の信頼を一心に集めている。

◆ヴラディレーナ・ミリーゼ
  • 愛称:レーナ
  • 年齢:16歳
  • 外見:銀髪ロング、白雪のような美貌、繻子の髪と長い睫毛が特徴
  • 特技:情報分析能力、戦況予測能力、異能の可能性(カリスマの発揮)

ヴラディレーナ・ミリーゼは、共和国軍のエリート少佐であり、スピアヘッド戦隊のハンドラーを務める事になる16歳の少女。元貴族の名家・ミリーゼ家の令嬢で、白系種(アルバ)の貴種の血を引く。特に優れた洞察力と分析能力を持ち、限られた情報から戦局を予測する能力に長けている。
彼女は非常に強い正義感を持ち、共和国の差別政策に反対していた父の影響で、86の人々に対する迫害に深い心の痛みを抱く。シンとの交信を通じて、改めて彼らを「同じ人間」として尊重し、その歩みを共にしたいと決意するようになる。
戦場では冷静で優れた指揮官として知られ、「鮮血女王(ブラッディレジーナ)」の異名を取ることも。命令違反により一度は降格されるが、その後も戦いを続け、最終的には大佐に昇進して共和国解放後の作戦を指揮するようになる。

◆ライデン・シュガ
  • パーソナルネーム:ヴェアヴォルフ
  • 年齢:16歳
  • 外見:青緑色の髪、前髪を掻き上げたワイルドな髪型、顔にいくつかの切り傷
  • 特技:火力支援、料理

ライデン・シュガは、スピアヘッド戦隊の第二小隊に所属する中尉の兵士で、チームの兄貴分的な存在。黒鉄種(アイゼン)の少年で、青緑色の髪とワイルドな風貌が特徴。顔には戦いの痕として切り傷がいくつか残っている。
彼はシンと最も長い付き合いがあり、戦場では頼れる存在として戦隊を支えている。以前は白系種(アルバ)の老人に匿われていた過去を持ち、スピアヘッド戦隊の中で唯一シンの誕生日を覚えている人物でもある。
戦闘では火力支援を得意としており、特別士官学校を経てノルトリヒト戦隊に所属した後、第86独立機動打撃群に編入。副隊長としてチームをまとめる役割を担い、兄貴分として後輩たちを指導している。料理も得意で、戦隊内ではその腕前を活かす場面も見られる。
ギアーデ連邦編では、老婦人との再会を果たし、彼女は86の自主学習の補助教員として基地に常駐することとなる。

◆セオト・リッカ
  • パーソナルネーム:ラフィングフォックス
  • 年齢:16歳
  • 外見:金髪、翡翠の眼、ミディアムヘアー、童顔
  • 特技:スケッチ、ワイヤーアンカーを駆使した機動戦

セオト・リッカは、スピアヘッド戦隊の第三小隊に所属していた少尉で、クールで皮肉屋な一面のある性格の持ち主。翠緑種(ジェイド)で、金色の髪に翡翠の眼という特徴的な外見を持つ。普段はあまり強い感情を表に出さず、皮肉を交えた物言いが多いが、内心では共和国に対する強い復讐心を抱えている。
絵が得意で、部隊のパーソナルマークを手掛けるなど、その才能を活かしていた。彼のデザインしたパーソナルマークは、以前所属していた戦隊の戦隊長が使用していたものを基にしている。
戦闘ではワイヤーアンカーを駆使した機動戦に長け、86の一員の中でも独特の戦術で活躍していた。特別士官学校を経てノルトリヒト戦隊に所属した後、第86独立機動打撃群に編入された。
ギアーデ連邦編では首都の人々や街並みに興味を持ち、趣味で絵を描く場面も見られた。

◆アンジュ・エマ
  • パーソナルネーム:スノウウィッチ
  • 年齢:16歳
  • 外見:パープルのロングヘア、紫色の瞳、上品な容姿
  • 特技:料理、ミサイルを使った面制圧

アンジュ・エマは、スピアヘッド戦隊の第五小隊に所属していた准尉で、月白種(アディラリア)と天青種(セレスタ)の血を引く美しい少女。パープルのロングヘアと紫色の瞳を持ち、上品で淑やかな性格が特徴的だが戦闘においては非常に高い能力を発揮する。
兵士になる前、強制収容所で虐待を受けており背中には無数の傷痕が残る。こうした過酷な過去を持ちながらも、その経験が彼女の強さの源となっている。
スピアヘッド戦隊ではダイヤと同時に配属され、二人は両想いの関係のような描写がされている。戦闘では、特にミサイルを使った面制圧を得意としており、その苛烈な戦術で戦場を支配する。
また、料理が得意であり、共和国時代にはライデンと並ぶ腕前を誇っていた。ギアーデ連邦編では料理教室に通い、さらに技術を磨いている。

◆クレナ・ククミラ
  • パーソナルネーム:ガンスリンガー
  • 年齢:15歳
  • 外見:赤色の髪、赤色の瞳、引き締まった体格
  • 特技:遠距離狙撃、後衛支援

クレナ・ククミラは、スピアヘッド戦隊の第六小隊に所属していた少尉で、瑪瑙種(アガット)と金晶種(トパーズ)の血を引く狙撃の名手。赤い髪と瞳が特徴的な彼女は、特に遠距離狙撃において並外れた腕前を持ち、戦場では後衛から前衛を支援する重要な役割を果たしている。

彼女は幼少期に強制収容所に送られ、両親を目の前で共和国軍人に殺された過去がを持つ。そのため白系種に対する強い憎しみを抱くが、初期の頃はその感情を周囲にぶつけることもあった。特にレーナに対しては冷たい態度を取るが、時間が経つにつれ関係は良好な方向へと変化していった。

クレナはシンに対して密かに恋心を抱いているが、シンからは妹のように見られており、その想いが実ることは現在の所ありそうもない。しかし、戦場での絆や日々の努力は彼女を強く成長させ、最終的にはしっかりとした支援役として仲間たちを支えていく。

ギアーデ連邦編ではファッションや学校生活に興味を持ち、憧れの学生生活を経験することとなる。特別士官学校を経てノルトリヒト戦隊に所属し、その後第86独立機動打撃群に編入される。狙撃の腕を活かし、戦場で着実に実力を伸ばしていく。

◆ダイヤ・イルマ
  • パーソナルネーム:ブラックドッグ
  • 年齢:17歳
  • 外見:金髪碧眼、長身、優雅な姿勢
  • 特技:指揮官としての冷静な判断力、サバイバル技能

ダイヤ・イルマは、スピアヘッド戦隊の第五小隊に所属する少年で、パーソナルネームは「ブラックドッグ」。青玉種(サフィール)という青系種の血を引く彼は、金髪碧眼で長身の青年。とても優しい性格で、部隊内でもそのおおらかさと人柄から仲間たちに愛されていた。その優しさゆえに何かとトラブルに巻き込まれることも多かったようだが。

ダイヤは部隊の隊舎にいた猫を拾った人物でもあり、その優しさや愛情深い一面が随所に見られる。

アンジュ・エマとは互いに好意を寄せていたが、戦闘中の地雷襲撃によって瀕死の重傷を負い、シンの手によって介錯される最後を迎えた。

◆カイエ・タニヤ
  • パーソナルネーム:キルシュブリューテ
  • 年齢:18歳
  • 外見:髪を後ろで括っている、活発な雰囲気
  • 特技:戦術指揮、戦車型との連携

カイエ・タニヤは、スピアヘッド戦隊の第4小隊の隊長を務める少女で、パーソナルネームは「キルシュブリューテ」。少年のような口調で気さくに話すその性格は、仲間たちにとって非常に親しみやすいものだった。階級は少尉で、戦闘においては巧みな指揮能力を発揮し、戦車型部隊との連携を得意としている。

4月7日生まれのカイエは、年齢に反して非常に落ち着いた指揮を取る一方で、少年のような口調と無邪気な性格が魅力的な一面を持つ。18歳という若さながらも、隊長としてその責任を全うしていた。しかし戦闘での活躍も束の間、スピアヘッド戦隊としては4人目の戦死者となり、レーナが着任した後では初の戦死者となった。

◆フレデリカ・ローゼンフォルト(本名:アウグスタ・フレデリカ・アデルアドラー
  • 年齢:9歳
  • 外見:幼い容姿、横はねのある長い髪、
  • 特技:異能(過去と現在を覗き見る能力)、管制補佐

フレデリカ・ローゼンフォルトは、シンたちがギアーデ連邦で出会った少女で、ギアーデ帝国の最後の女帝。彼女はシンと同じく、夜黒種と焔紅種の混血で帝室の血を引いている。代々帝室に伝わる異能、すなわち見知った者の過去と現在を覗き見る能力を持っており、その力を使って連邦内の管制補佐も行っている。9歳にしてその異能を発揮しており、非常に優れた頭脳を持っている少女。

外見は幼い少女ではあるが、稀にどこか達観した様子を見せる。古風な言葉遣いを使用しつつも、シンたちからは手のかかる妹のような扱いを受けており、彼女は連邦の暫定大統領エルンストの保護下のもと、シンたちとともに生活を共にしている。

また、フレデリカは旧ノルトリヒト戦隊(後の第86独立機動打撃群)の一員としても、戦隊のマスコット的存在であり、戦隊内での異能の活用や情報の取り扱いで重要な役割を果たしている。その存在は戦闘だけでなくシンたちの支えにもなっている。

◆キリヤ・ノウゼン
  • パーソナルネーム:ペイル・ライダー
  • 年齢:シンの6歳年上
  • 外見:黒髪、深い瞳、冷徹な表情
  • 特技:近衛騎士としての戦闘技術、戦術的判断力

キリヤ・ノウゼンは、フレデリカ・ローゼンフォルトの近衛騎士として仕えていた青年で、シンの遠縁にあたる人物。愛称は「キリ」。内戦勃発後、彼は深い精神的な傷を負い、フレデリカの処刑の発表を受けて心の均衡を崩していく。その後、レギオン側の《羊飼い》として取り込まれ、冷徹かつ感情を失った戦闘員となった。

革命の戦火の中で長い年月を過ごしたことが影響し、キリヤは次第に正気を失い、フレデリカの死を受け入れられず、レギオンに対して憎悪を抱くようになる。そのためか、シンに対しても遠縁でありながら、どこか同族嫌悪に似た感情を抱いている。彼は自身が抱える苦しみと憎しみをシンに投影し、執着することが多い。

キリヤのパーソナルネームは「ペイル・ライダー」と呼ばれ、レギオンの中でその名は恐れられていた。彼の死闘はスピアヘッド戦隊との戦闘の中でも特に激しく、モルフォ撃破作戦ではシンたちと命を懸けた戦いを繰り広げる。フレデリカが機転を効かせて彼の弱点を貫いたことにより、キリヤの機体は機能停止に追いやられるが、彼の死闘はシンとの壮絶な戦いとなった。

アニメ版では、キリヤは自爆の直前に《羊飼い》から解放され、流体マイクロマシンで作った腕でフレデリカを爆風から遠ざけ、彼女を守り抜いた。原作では、フレデリカを自爆から守ったのはファイドだったが、アニメ版ではキリヤがその役割を果たし、彼自身が最期を迎える事となった。

キリヤの死は、彼の心の中にあった憎しみと苦しみが、最期の瞬間に解放された象徴的な瞬間であり、その死によって彼の中でのフレデリカへの愛と執着が完結する。

◆アンリエッタ・ペンローズ
  • 愛称:アネット
  • 年齢:16歳
  • 外見:白系種の少女、淡い銀髪、青い瞳
  • 特技:お菓子作り、パラレイドの研究

アンリエッタ・ペンローズは、元共和国民で、レーナの親友であり、技術大尉として第86独立機動打撃群で活動する技術者。愛称は「アネット」。彼女は、シンと家が隣同士だった幼馴染で、幼い頃からシンにとって親しい存在だった。そのため、シンを救えなかったことに対する強い負い目を抱えており、それが彼女が第86独立機動打撃群に志願した理由の一つでもあった。

16歳という若さでありながら、非常に優れた技術者で、特にパラレイドの研究を担当する主任として活躍している。彼女の才能は第86独立機動打撃群内でも高く評価されており、その知識と技術で数々の難題を解決してきた。階級は少佐に昇進し、知覚同調班の主任を務めている。

◆ショーレイ・ノウゼン
  • パーソナルネーム:デュラハン
  • 年齢:不明(シンの10歳ほど上)
  • 外見:明るい赤色の髪、黒い瞳、眼鏡をかけた温厚な青年
  • 特技:戦術、指揮

ショーレイ・ノウゼンはシンの兄で、かつて「デュラハン」というパーソナルネームで軍に所属していた。明るい赤色の髪と黒い瞳、眼鏡をかけた容姿が特徴的で、温厚な性格を持つが、その内には激しい情熱と守るべきものへの強い責任感を抱えていた。シンとは10歳の年齢差があり、幼少期から溺愛していた。

彼は過去に、撃墜された偵察機から生き残ったレーナを助けたことがあり、その出来事がシンとレーナを結びつけるきっかけとなっている。戦死した後、その脳は「羊飼い」としてレギオンに回収され重戦車型に組み込まれてしまう。そしてその存在はシンにとって深い影響を与え、最終的にはシンとの戦闘の中でその洗脳から解放される結果に。戦死の数年後、とある状態でシンたちを助ける形で再登場し、連邦勢力圏へと導くものの最終的にはギアーデ連邦軍の迎撃によって撃破される。彼の遺体は後に研究材料として回収され、彼の生涯はその悲劇的な運命を物語っている。

ショーレイはシンに深い影響を与えた人物であり、彼の存在がシンの戦士としての覚悟に大きな影響を与えている。

◆ファイド

ファイドとはシンの父親である、レイシャ・ノウゼンが作り出したスカベンジャーの一種。犬並みの知能を有するAIが組み込まれており、シンたちの言葉を理解し、自らの考えで行動する事ができる。戦闘行為はできないが、荷物を運搬したりその多用途に活躍する。犬を想定したAIのおかげか、その動きには非常に愛嬌が溢れている。

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作品の見所とテーマ

物語の舞台と背景

物語は、サンマグノリア共和国と呼ばれる国を舞台にしています。共和国は、かつて隣国である帝国から宣戦布告を受け、戦争状態に突入しました。帝国は自律型無人戦闘機械「レギオン」を開発し、共和国はこれに対抗するため、無人機「ジャガーノート」を開発します。しかし、共和国の報道は「戦死者ゼロ」を謳い、戦争の実態は歪められています。表向きは無人機による戦争のように描かれ、戦争の負担はすべてエイティシックス(86区に住む人々)に押し付けられています。

サンマグノリア共和国の不正義

サンマグノリア共和国は、「アルバ」と呼ばれる白系種(人種)を優遇し、それ以外の有色種(特にエイティシックスと呼ばれる人々)を差別しています。エイティシックスたちは、共和国内で市民権を剥奪され、強制収容所に送り込まれ、最前線で戦わせられることになります。エイティシックスは人間未満として扱われ、ジャガーノートと呼ばれる無人機に搭乗し、戦場で命を散らします。彼らの名前はコールサインで呼ばれ、本当の名前を知ってもらうこともなく、指揮官とのやり取りは一方的です。

主人公と物語の中心

物語は、エイティシックスの少年少女たちと、彼らを指揮する「ハンドラー」と呼ばれる少女たちとの関係を描いています。特に注目すべきは、シンエイ・ノウゼンというエイティシックスの少年と、彼の指揮官であるアルバの少女、ヴラディレーナ・ミリーゼです。

シンは、エイティシックスの中でも非常に優れた戦闘能力を持つ兵士で、数多くの仲間たちとともに戦場を駆け抜けています。一方、レーナはエイティシックスを指揮するハンドラーとして、彼らの戦闘を監視しつつ、精神的なサポートを試みます。しかし、レーナはエイティシックスたちがどれほど過酷な状況に置かれているかを知りながら、彼らの命を無駄にしないように尽力するものの、制度の差別と戦争の現実に挟まれて苦しむことになります。

エイティシックスの兵役とその過酷さ

エイティシックスたちは、5年間の兵役を義務づけられますが、この期間中に生き残ることは極めて困難です。彼らが乗るジャガーノートは、無人機という名目で運用されるものの、実際にはエイティシックスの命を借りた兵器であり、彼らの命を使い捨てのように戦争に投入します。ジャガーノートの操縦者であるエイティシックスたちは、訓練を受けることなく戦場に放り込まれ、彼らの命の重さはほとんど考慮されません。

また、5年間生き延びた者が市民権を得られるという制度は、実際には彼らの命を戦争に貢献させるための口実に過ぎず、戦場で何度も生き延びた者は、より過酷な任務に投入されます。最終的には「特別任務」という名の下、死を前提とした任務に駆り出されることになります。

エイティシックスたちの戦いと「レギオン

物語の敵である「レギオン」は、帝国が開発した自律型無人戦闘機械です。これらの機械は、戦争の中で暴走し、最終的には帝国そのものを滅ぼすことになります。しかし、レギオンは単なる機械ではなく、その中枢処理装置には、生きた人間の脳構造が組み込まれており、その過程で「黒羊」と呼ばれる存在や、「羊飼い」と呼ばれる強力な指揮官機が生まれます。

ギオンは、戦場で死んだエイティシックスたちの脳構造を取り込んで新たな指揮官を作り出します。このため、異能を所持しているシンは戦場で死んだ仲間たちの思考を、敵機であるレギオンを通じて繰り返し聞かされることになります。これは彼にとって非常に精神的な苦痛であり、死者を敵として再び戦わなければならないという現実に直面します。

エイティシックスの運命

共和国側では、エイティシックスたちの戦死を無視し、遺体の回収や葬儀も行われません。彼らはまるで存在しないかのように扱われ、戦争が終わればその存在が抹消されることを狙われています。エイティシックスの兵士たちは、戦争が終わることなく死ぬまで戦い続ける運命にあります。そのため、彼らが最後まで戦い続けることの虚しさや、死を迎える瞬間の絶望感が物語を通して描かれます。

まとめ

86-エイティシックス-』は、戦争の残酷さとそれを利用した社会の不正義、そして人間としての尊厳を奪われた人々の葛藤を描く作品です。エイティシックスたちの苦しみと、彼らが抱える運命、そして彼らの命を預かるハンドラーたちの葛藤が深く描かれています。

しかし、物語はそういった負の面だけでなく、残酷で不平等な世界の中でも自分たちを見失わずに生き抜くシンたちの力強さや、そんな彼らを尊敬し、追いつき共に並ぼうとするミレーゼのような不断の覚悟を持った人間の心の輝きの部分などもしっかりと描かれています。

シンたちの過酷な戦いの末に、どのような結末が待っているのか、続きは是非とも貴方自身の目で確かめてみてください。

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人生ふたつぶん懸けて、叶えたい夢がある! 成長と挑戦、努力と才能が交差する全力フィギュアスケート漫画『メダリスト』は絶対に読んだ方が良い!?

出典:©つるまいかだ『メダリスト』講談社コミックプラス

概要

『メダリスト』は、つるまいかだによるフィギュアスケートを題材にした日本のスポーツ漫画で、2020年7月号から『月刊アフタヌーン』で連載が始まりました。この作品はさまざまな場で高い評価を受け、数々の賞を受賞しています。

2025年1月からはアニメの放映も予定されています。

受賞歴

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あらすじ

『メダリスト』は、フィギュアスケートを題材にした青春スポーツ漫画で、主人公・結束いのりの成長を描いた物語です。

名古屋市フィギュアスケートクラブ「ルクス東山FSC」でアシスタントコーチの勧誘を受けた元アイスダンス全日本選手の明浦路司は、母親に連れられて見学に来た少女・結束いのりと出会う。初めは実績不足を理由にコーチの誘いを断ろうとする司だったが、いのりのスケートに対する圧倒的な情熱と才能に触れ、彼女を全日本選手権に出場させると決意。こうして、司といのりの師弟関係が始まった。

練習を始めたばかりのいのりは、バッジテスト初級を受けることに。バッジテストはフィギュアスケートの検定試験で、合格すれば更なる大会への道が開ける試験。緊張から不安でいっぱいのいのりだったが、司の支えを受けて見事に合格を果たし、改めてフィギュアスケートの世界に足を踏み入れる。その後いのりはフィギュアスケート界の天才少女・狼嵜光と出会い、光の演技に圧倒される事に。光のようにうまくなり、オリンピックで金メダルを獲るという強い決意を抱く。

次にいのりは「名港杯」という大会に出場することを決め、優勝を目指して練習に励む。そこで、二つ年下の少女・三毛田涼佳と出会い、ライバルとして切磋琢磨していく。大会当日、いのりは緊張からジャンプに失敗し母親がプログラム変更を提案。しかしいのりは「メダリストになるために勝負をかける」と強い意志を見せ、最後のフライングシットスピンを成功させ、練習中に1回しか成功しなかったブロークンレッグでフィニッシュを決め、見事に優勝を果たす。

その後、いのりは光に対抗するためにさらなる努力を続けていく。光のコーチ・夜鷹純と偶然出会ったいのりは、光に勝ちたいという思いを胸に、夜鷹に伝言を頼むが彼からの言葉はとても冷たく「一生かかっても光には勝てない」とまで言われてしまう。しかしこの言葉を受けて司は、いのりを必ず光に勝たせると宣言。師弟はさらに絆を深め、司は「世界一のコーチになる」と決意する――。

主要キャラクター紹介

◆結束 いのり(ゆいつか いのり)
  • 小学5年生、11歳、身長134センチ。
  • 「ルクス東山FSC」に所属し、フィギュアスケートでオリンピック金メダルを目指す。
  • 勉強や日常生活では苦手なことが多いが、スケートへの情熱は誰にも負けない
  • 幼少期、姉の実叶の影響でフィギュアスケートに憧れる。
  • 身体能力が優れているわけではないが、教わったことを素早く習得できるセンスがある。
  • メンタルの芯が強く、試合や大切な場面では高い集中力を発揮する
  • 明浦路司を信頼し、彼のサポートを受けて日々努力している。

いのりは名古屋の「ルクス東山FSC」に所属する11歳の小学5年生。身長134センチの小柄な体型ながら、フィギュアスケートでオリンピック金メダルを目指し、日々練習に励んでいる。勉強や日常生活で忘れ物が多く、あまり得意ではないが、スケートに対する情熱だけは誰にも負けない。姉の実叶がスケートをしている姿を見て、幼少期からその世界に憧れを抱き、フィギュアスケート選手を夢見るようになった。身体能力に特別な才能があるわけではないが、教わったことを素早く身につける能力に恵まれ、また集中力の高さも大きな強みとなっている。とある理由からミミズが好き。

◆明浦路 司(あけうらじ つかさ)
  • 26歳、名古屋出身。
  • 中学生時代からスケートを始め、シングル選手を断念してアイスダンスに転向。
  • 全日本選手権に出場するも、挫折を経験し無職となった時期も。
  • 高峰瞳に誘われ「ルクス東山FSC」のアシスタントコーチに就任。
  • いのりの情熱に感銘を受け、コーチとして彼女を支援することを決意。

名古屋出身の26歳。中学生の頃からフィギュアスケートを始め、シングル選手として成功を目指していたが、20歳でその道を断念。アイスダンスに転向し全日本選手権に出場するものの、その後の再度の挫折で一時は無職となる。そんな中、フィギュアスケートクラブである「ルクス東山FSC」のアシスタントコーチとして誘われ、スケート界に復帰。いのりの才能と情熱に感銘を受け、彼女のオリンピック金メダルを目指すためコーチとして全力でサポートしている。

◆高峰 瞳(たかみね ひとみ)
  • 「ルクス東山FSC」のコーチ、元アイスダンス選手。
  • 全日本選手権出場の経験があり、明浦路司と共に活躍していた。
  • 生徒を平等に扱い、特に母親からの苦情に配慮している。
  • いのりの才能を見抜き、明浦路司と共にサポート。

彼女は名古屋の「ルクス東山FSC」でコーチを務める元アイスダンス選手。全日本選手権に出場した経験を持ち、明浦路司をパートナーにダンススケート界で活躍していた。生徒一人一人を平等に扱うことを大切にしており、特に母親からの苦情に敏感に対応している。いのりの才能を早くから見抜き、明浦路司と共に彼女の成長をサポートしている。

◆狼嵜 光 (かみさき ひかる)
  • 名古屋市の「名港ウィンドFSC」に所属する小学5年生、11歳。
  • 1年前、全日本ノービスBの大会で優勝し、その卓越したジャンプ力と高得点が注目を集めた天才少女。
  • 初対面で結束いのりから服をほめられたことをきっかけに友達に。
  • 気性が激しく、初対面の鴗鳥理凰をビンタする一面も。
  • 孤児で鴗鳥慎一郎の家に引き取られ、理凰と一緒に暮らしている。
  • 全日本ノービスBで3A(トリプルアクセル)を決め、2度目の優勝を果たす。

狼嵜光は名古屋の「名港ウィンドFSC」に所属する小学5年生の天才少女。全日本ノービスB大会でその驚異的なジャンプ力と高得点で注目され、1年で2度の優勝を飾っている。気性は激しく、初対面の鴗鳥理凰にいきなりビンタをかますなど、短気で強気な一面を持つ。もともと孤児で、鴗鳥慎一郎の家に引き取られて理凰とともに生活しており、将来を期待される若き才能。

◆夜鷹 純 (よだか じゅん)
  • オリンピック金メダリスト、20歳で引退。
  • 明浦路司と同世代で、司が憧れていた選手。
  • いつも全身黒い服を着ている。
  • 5年前から狼嵜光のコーチを務めるが、そのことは公表していない。
  • 「光に勝ちたい」と言ういのりに冷たく「一生かかっても勝てない」と発言する冷淡な一面を持つ。
  • 鴗鳥理凰からは激しく嫌われ、クソジジイ呼ばわりされている。

夜鷹純は、オリンピック金メダルを獲得した伝説的なフィギュアスケーターで、20歳という若さで惜しまれながら引退した。明浦路司が憧れていた選手で、現在は狼嵜光のコーチを務めるが、その関係は公表されていない。冷徹で淡白な言動を取りがちで「いのりは一生光に勝てない」と言い放ったことでその場に居合わせた司の心に火をつけた。

◆鴗鳥 理凰 (そにどり りおう)
  • 名古屋市の「名港ウィンドFSC」に所属する小学5年生。11歳の少年男子。
  • 元オリンピック銀メダリスト、鴗鳥慎一郎の息子。
  • 英語が得意で、インターナショナルプリスクールで過ごした。
  • 元孤児の狼嵜光と一緒に暮らしており、光に好意を抱いている。
  • 初対面の結束いのりを「ブスエビフライ」と罵倒。
  • 初期はいのりに全く興味がなかったため、何度会っても顔と名前を覚えていなかった

鴗鳥理凰は、元オリンピック銀メダリストである鴗鳥慎一郎の息子。インターナショナルプリスクールで英語を学んだ経歴を持ち、孤児だった狼嵜光と一緒に暮らしている。光に好意を抱いており、いのりに対しては冷たい態度をとる。初対面のいのりには「ブスエビフライ」といきなり罵倒し、まったく興味を示さなかった。

◆鴗鳥 慎一郎 (そにどり しんいちろう
  • 「名港ウィンドFSC」のヘッドコーチ。
  • フィギュアスケート男子シングル日本代表選手でオリンピック銀メダリスト。
  • 現役時代、夜鷹純と表彰台を争っていた事も。
  • 自身の息子、理凰の成長に悩み、明浦路司に指導を依頼する。

鴗鳥慎一郎は、「名港ウィンドFSC」のヘッドコーチで、元オリンピック銀メダリスト。現役時代は夜鷹純とともに表彰台を争っていた。現在は息子の理凰の指導に悩んでおり、その成長を促すために明浦路司に指導をお願いする。

◆犬飼 総太 (いぬかい そうた)
  • 名古屋市の「ルクス東山FSC」に所属する小学4年生の男子。
  • ゲーム好きで、スケートのバッジテストは3級。
  • 鴗鳥理凰と仲が良い。
  • 同クラブの仲間が大会で滑る時には、「んば!」と応援の声を掛ける。

犬飼総太は、名古屋の「ルクス東山FSC」に所属する小学4年生の男子。ゲームが好きで、スケートのバッジテストは3級。気難しい鴗鳥理凰と仲が良く、仲間が大会に出る際には全力で応援し「んば!」と連呼して励ます。

那智 鞠緒 (なち まりお)
  • 「グラビティ桜通FSC」のヘッドコーチ、31歳。
  • 現役時代は全日本上位の常連、ジャンプが得意な選手。
  • 生徒は三毛田涼佳のみで、生活費のため生徒を増やそうと奮闘。
  • 煽るような子供っぽい指導が特徴だが、引っ込み思案な一面も。

那智鞠緒は「グラビティ桜通FSC」のヘッドコーチで、元フィギュアスケート選手。現役時代はジャンプ力が特徴で全日本上位の常連だったが、現在は生徒が三毛田涼佳のみ。生徒を増やすために奮闘している。指導方法は少し煽るような子供っぽいものもあるが人一倍熱心。知らない人には引っ込み思案な一面もあり。三毛田涼佳とは非常に仲が良い。

◆三毛田 涼佳 (みけた りょうか)
  • 年齢は8歳、身長133センチ、三河弁を話す。
  • 気性が荒く、怒ると猫のように飛び掛かる。
  • リズム感と身体能力に優れた選手だが、かつて所属した「名城クラウン」では気難しい性格もあり問題児扱いされていた。
  • 母親の実家である東三河で育ち、父親と二人三脚で生活していたが、現在は家族全員と共に暮らしている。
  • 女の子らしいものにあこがれており、ネコが大好き。

三毛田涼佳は、「グラビティ桜通FSC」に所属する小学3年生のフィギュアスケーターで、リズム感と身体能力に非常に優れた選手。怒ると猫のように飛び掛かる気性の荒さが特徴だが、その才能は確かだが、その気性難からかつて所属していた「名城クラウン」では問題児として扱われていた。しかしいのりと出会い、物語を通じて現在は成長を見せている。三河弁を話し猫をこよなく愛する一面もあり、女の子っぽいものに憧れている。

◆鹿本 すず (かもと すず)
  • 京都の「蓮華茶FSC」に所属する小学5年生の女子。
  • 1年前の全日本ノービスBで、狼嵜光に次いで2位。
  • 自分のことを「かわいい」と公言するなど、自信家な性格。
  • 音楽一家の末っ子で、姉たちから非常に可愛がられている。
  • バッジテスト7級に合格し、全日本&世界トップの出場資格を得る。

鹿本すずは、京都の「蓮華茶FSC」に所属する小学5年生の女子で、全日本ノービスBで狼嵜光に次いで2位の成績を収めた実力者。音楽一家の末っ子で、姉たちに非常に可愛がられており、自分を「かわいい」と公言する自信家な性格が特徴。バッジテスト7級に合格し、全日本と世界のトップ大会に出場する資格を手に入れた。

◆蛇崩 遊大 (じゃくずれ ゆうだい)
  • 京都の「蓮華茶FSC」でアシスタントコーチを務める28歳の男性。
  • 子供の扱いが得意で、鹿本すずや大和絵馬を指導。
  • 元男子シングル強豪選手で、全日本選手権フリースケーティングに何度も進出。
  • 明浦路司にジャンプ指導を快諾し、非常に面倒見がいい。
  • 飄々とした性格で、絵馬の成長を信じている。

蛇崩遊大は京都の「蓮華茶FSC」のアシスタントコーチで、鹿本すずや大和絵馬を指導している。子供たちの扱いが非常に得意で面倒見が良く、明浦路司にはコーチングとしてのジャンプの指導を快諾した。元男子シングル選手で、全日本選手権フリースケーティングに何度も進出した実力を持ち、絵馬の成長を信じている男気あふれるコーチ。

◆大和 絵馬 (やまと えま)
  • 京都の「蓮華茶FSC」に所属する小学4年生の女子。
  • 身長148センチ、バッジテスト初級に合格。
  • 5歳からスケートを始め、急激な身体の成長によりジャンプ練習に悩む。
  • 西日本小中学生大会で優勝を果たす。

大和絵馬は、京都の「蓮華茶FSC」に所属する小学4年生の女子で、身長148センチ。5歳からスケートを始め、急激に身長が伸びたことでジャンプ練習に一時的な足踏みを経験。しかし、西日本小中学生大会で見事優勝し、スケートへの意欲と実力を再度発揮している。

◆獅子堂 星羅 (ししどう せいら)
  • 「スター広島FSC」に所属する小学5年生の女子。
  • 初出場で優勝すると宣言した明るく元気な性格。
  • 西日本小中学生大会で結束いのりと出会う。
  • フィギュアスケートに専念するため、「スター広島FSC」から「岡山ティナFSC」へ移籍。

獅子堂星羅は、「スター広島FSC」に所属する小学5年生の女子で、フィギュアスケートに非常に熱心。大会で初出場し初優勝を宣言し、その明るさと元気な性格で周囲を引きつける。西日本小中学生大会で結束いのりと出会い、フィギュアスケートに専念するためにクラブを移籍した。

◆黒澤美豹(くろさわ みいひ)
  • 「スター広島FSC」に所属する小学5年生の女子。
  • 獅子堂星羅とは対照的に非常に恥ずかしがり屋。
  • スケートでは星羅に負けたくないという強い気持ちを持っている。
  • フィギュアスケートに専念するため、「スター広島FSC」から「岡山ティナFSC」へ移籍。

黒澤美豹は「スター広島FSC」に所属する小学5年生の女子で、非常に恥ずかしがり屋な性格。スケートにおいては獅子堂星羅に負けたくないという強い意志を持ち、フィギュアスケートに専念するためクラブを「岡山ティナFSC」へ移籍した。

◆小熊 梨月 (こぐま りつき)
  • 「岡山ティナFSC」に所属する小学4年生の女子。
  • 西日本小中学生大会で高得点を記録するも表彰台を逃す。
  • 冷静で優等生タイプ、獅子堂星羅とは性格が合わない。

小熊梨月は「岡山ティナFSC」に所属する小学4年生の女子で、西日本小中学生大会で高得点を記録したものの、惜しくも表彰台を逃した。冷静で優等生タイプの性格で、騒がしい獅子堂星羅とは相性が悪いがその実力は確かで、今後が非常に楽しみな選手と言われている。

◆鬼寅 カンナ (きとら かんな)
  • 「福岡パークFSC」に所属する小学2年生の女子。
  • アクセルを飛んだ際にコーチにスカウトされてスケートを始めた。
  • 少しぽっちゃりした体型だが、ジャンプが非常に高く、着地面に穴を空けるほど。
  • 西日本小中学生大会で高得点を出す実力者。

鬼寅カンナは「福岡パークFSC」に所属する小学2年生の女子で、ジャンプに抜群の才能を持つ。遊びでアクセルを飛んだ際にスカウトされてスケートを始め、少しぽっちゃりした体型にもかかわらずジャンプが非常に高い。着地面に大きな穴を空けるほどの力強さを誇り、すでに西日本小中学生大会で高得点を記録する実力者。

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作品の見どころとテーマ

1. 王道スポーツ漫画の要素

『メダリスト』は、以下の4つの王道要素をしっかりと踏襲しています。

  • 未経験者としてのスタート: 主人公のいのりはフィギュアスケートを11歳で始め、周囲の選手たちよりも遅れてスタートする。読者もいのりと一緒に技術やルールを学びながら読み進める事が可能。
  • 努力と成長: いのりはフィギュアスケートの世界で未経験からどんどん上達していき、努力を重ねることで結果を出していく。めげずくじけず諦めず、ただ前に進もうとする姿はやはり胸に響くものがある。
  • 天才との邂逅: いのりが戦うライバル、特に天才少女「狼嵜光」との競り合いが大きな盛り上がりを見せる事に。ライバルたちとの激闘がいのりの成長を加速させ、勝敗を超えた戦いが描かれている。
  • 圧倒的なライバルの存在: 光はフィギュア界の天才であり、彼女との対決がいのりにとっての最大の挑戦となる。圧倒的な実力を持つライバルとの戦いが、いのりの成長を更に引き上げていく大きな要素に。
2. キャラクターの深い描写

『メダリスト』は、ただのスポーツ漫画に留まらず、登場キャラクターたちの人間ドラマも豊かに描かれています。

  • いのりの成長と内面の葛藤: いのりはフィギュアスケートに全てをかける強い気持ちを持っている。同時に周囲は「フィギュアしかない」という考え方に至らない者も当然多く、その価値観の違いが成長する過程の速度に繋がっている。だがそれは結果が出てるうちは、とも言い換えられる。いのりはまだ本当の意味で打ちのめされた敗北を知らない。このテーマは努力の全肯定の是非を問として、さまざまな葛藤やリアルな悩みが描かれている。
  • 夜鷹純と司の関係: いのりのコーチである司は過去にフィギュアでは結果を出せなかった選手だが、だからこそ、いのりの成長を支える姿に納得を持たせている。コーチとして手探りな司の心の成長も描かれ、彼の教え方や支え方がスポーツ指導における理想像の片鱗を見せてくれる事に。
  • 光の天才性と狂気: 光の才能と、フィギュアスケートに対する狂気的な執着心が描かれ、単なる天才ではなく、その背後にあるプレッシャーや努力もしっかりと感じられる点が非常にグッドポイント。光といのりのライバル関係は、物語を引っ張る重要なファクターとして働きかけている。
3. フィギュアスケートの専門的な描写

フィギュアスケートという競技の専門的な描写も、作品の大きな魅力の一つ。技術的な部分が分かりやすく解説され、読者はフィギュアスケートの魅力を理解しながら触れることができます。特に技術や得点の仕組みが詳細に描かれており、フィギュアスケート初心者でも問題なく理解できるように描かれています。

4. 異色の主役とテーマ

フィギュアスケートにおけるスタートの遅さは大きな障害となりますが、やはりそれがたびたびいのりに試練を与えます。一般的にフィギュアスケートは幼少期から始めるのが普通であり、いのりのように遅く始めた者がトップを目指すことは非常に難しいとされているのが通例です。この「遅れて始めた者の挑戦」が物語の一つの軸となり、司と重なり合う部分として描かれています

5. ライバルとコーチの密接な関係

ライバルだけでなく、コーチとの関係性も非常に見もの。司といのり、夜鷹と光という2組の指導者と選手の関係が対比のように描かれ、選手だけでなくコーチとしてのお互いの思考の違いにも焦点が当てられています。司がいのりを指導する過程で彼自身も成長し、夜鷹との対決に向けてどのような指導でいのりを導いていくのか、今後の二人に目が離せません。

6. 人間ドラマと勝者と敗者の哲学

勝利に向けて全力で戦う姿だけでなく、敗北から得られる成長もこの物語では見る事ができます。フィギュアスケートという競技は相手と戦うだけでなく、自己との戦いでもあります。自己最高得点を目指し、失敗を乗り越えて前進する何人もの少女たちの姿は常に輝きに満ち溢れている事でしょう。

まとめ

『メダリスト』は、フィギュアスケートの美しさと厳しさを描きつつ、登場人物たちの成長と葛藤を描くことで、スポーツ漫画の枠を超えた魅力をこれでもかと作品に詰め込んでいます。未経験から成長し、自己とライバルとの戦いを繰り広げる主人公の姿は共感性があり、また人間ドラマとしても非常に物語に引き込む力があります。競技のルールや技術、精神的な挑戦、ライバルとの関係性、指導者の役割など、フィギュアスケートの世界を多角的かつ魅力的に描いた作品なのです。

2025年1月からはアニメ化もされるという『メダリスト』を、貴方も是非手にとってみてください。

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殺し屋男子と結婚詐欺師がタッグを組む、痛快アクション婚活物語『マリッジトキシン』は本当に面白い!?

出典:©静脈/依田瑞稀 マリッジトキシン 集英社+ 

作品概要

『マリッジトキシン』は、静脈(原作)と依田瑞稀(作画)による日本の漫画作品で、2022年4月20日から『少年ジャンプ+』で連載されています。本作は静脈にとっての連載デビュー作であり、2024年8月時点で既刊は10巻を数えています。特徴的なストーリーとユニークなキャラクターたちが描かれ、ファンの間で注目されています。

本作は、代々続く殺し屋一族の跡取りである青年・下呂ヒカルが、「結婚」という問題に直面しながら婚活を進めていく様子を描いたアクション・コメディです。殺し屋としての仕事をこなしつつも、恋愛に不慣れなヒカルが、結婚詐欺師の城崎メイをアドバイザーとして迎え入れ婚活をするというユニークな設定で物語が進行します。

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あらすじ

舞台は数百年続く裏社会の名家「毒使い」下呂家の次期当主・下呂ヒカルが、婚活という未知の領域で繰り広げる戦いを描いたアクション・コメディ。

ヒカルは、家業である殺し屋の仕事に従事しながらも、女性との縁が無く一生独身を貫こうとしていた。ところが、下呂家には跡継ぎがいないため、実の妹であるアカリに現当主である祖母から「結婚して子どもを産むこと」を強制されてしまう。しかしアカリには既に同性愛者のパートナーがおり、別の男と結婚して子どもを産むことが彼女の幸せを奪うと考えたヒカルは、妹を守るため自分が結婚する決意を固めるのだった。

とはいえ恋愛経験が全くない彼は、婚活の進め方が全くわからず悩むことに。そんな折、ヒカルは家業で結婚詐欺師・城崎メイの暗殺を命じられるが、とある経緯から逆にメイの命を助けたことで、結婚に対する知識のスペシャリストである彼女に「お礼に、自分の婚活アドバイザーになってほしい」と依頼。メイはこれを快諾、そうしてメイとヒカルは婚活アドバイザー契約を結び、結婚詐欺師と殺し屋というな異色な二人組の奇妙な婚活が始まったのだった。

メイのアドバイスを受けながら、ヒカルは「王子様作戦」と称して婚活を進めていくが、暗殺任務に美術品泥棒事件、果ては他の殺し屋たちにも目をつけられたりと、とにかく彼の婚活の傍には常に命がけの戦いばかり。それでも妹のためヒカルが目指すのは、世界一ハードな婚活バトルを乗り越えて、最高の結婚を手に入れること。命がけの婚活が今、始まる――。

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主要キャラクター紹介

下呂ヒカル(げろ ひかる)
  • 職業: 暗殺五大名家「毒使い」の正統跡継ぎ
  • 性格: 冷徹に見えるが実際は「普通にいいやつ」。しかし、女性との接点が少ないゆえにコミュ障な一面も。
  • 特徴:望まない 暗殺業の傍ら、妹アカリのために自分の結婚相手を探す。
  • 過去の背景: 妹アカリが望まぬ結婚を強いられそうになり、それを阻止するために結婚詐欺師・城崎メイとともに自分の「最高の結婚相手」を探し始める。
  • 物語での役割: 主人公として、シオリや他のキャラクターを手助けし、暗殺家業と並行して婚活に励む姿が描かれる。
◆城崎メイ(きのさき めい)
  • 職業: 結婚詐欺師 / 婚活アドバイザー
  • 性格: 冷静かつ大胆、それでいてとても魅力的で機転が利く。過去に病気の弟を治すために結婚詐欺を繰り返してきた
  • 特徴: 美少女で可愛らしい外見だが実は男性、ヒカルとのタッグは抜群の相性。結婚詐欺師としてその美麗な容姿から、男と女を使い分けている。さまざまな資格を持っている。
  • 物語での役割: 最初はヒカルの暗殺ターゲットだったが、婚活アドバイザーとしてヒカルをサポートすることに。
◆姫川杏子(ひめかわ きょうこ)
  • 職業: 美術品泥棒。(奪った美術品を本来の持ち主へと返却する活動をしている)
  • 性格: サバサバして男勝り、ヒカルが困っている時に助ける格好良さを見せる。
  • 特徴: ヒカルとの関係が微妙に進展し、時折ヒロインムーブを見せる。
  • 物語での役割: ヒカルの最初の結婚相手候補として登場し、二人が正当にその道を歩む可能性も示唆される。
◆嬉野シオリ(うれしの しおり)
  • 職業: 大学生
  • 性格: 恥ずかしがり屋で自信が持てなかったが、下呂に救われ前向きになる。
  • 特徴: 父の後継者として家族内の権力争いに巻き込まれ、暗殺者に命を狙われる。最終的にヒカルに連絡先交換をお願いし、無事交友を深める。ヒカルの結婚相手候補。
  • 物語での役割: ヒカルの護衛を受けながら成長し、最後には自分を信じるようになる。ヒカルとの関係が深まり、後継者として会社経営を引き継ぐ決意を固める。
◆ 嵐山 キミ恵(あらしやま きみえ)
  • 職業: 獣使い(ハムスター使い)
  • 性格: ヒカルを心のなかで「ヒカル様」と呼び、推している。唯一ヒカルに告白したが、自身を認められないから磨き上げてからもう一度告白しに行くと宣言した。少し自分に自信がない。
  • 特徴: 能力が弱く、一度も殺しをしたことがない。、暗殺や戦闘よりも情報収集や仕掛けに強みを持つ。過去にヒカルに助けられたことから彼に対して強い憧れを抱いている。
  • 物語での役割: 結婚相手候補ではあるが、現在のヒカルに対する心情は純粋で、今後ヒカルとどんな関係が築かれるか注目。
◆赤倉 ちなつ(あかくら ちなつ)
  • 職業: 護り手
  • 性格: ボクっ子で、スタイルが良く、笑顔が魅力的。甘いものが大好きで、ヒカルとの相性が良い。
  • 特徴: 合金入りのテープを自在に操り、敵を縛り上げる戦闘能力が高いが、使い手には及ばない。パワーが凄い。戦闘だけでなく、ヒカルとの関係においても大きな可能性を秘めている。ヒカルの結婚相手候補。お菓子が好き。
  • 物語での役割:蔵王 エリナの護衛役としての役割が強い。
◆氷見 マコト(ひみ まこと)
  • 職業: お金持ちのご令嬢、シオリの友人
  • 性格: 相手によって性格を使い分けるタイプの人物。シオリとは小学生からの付き合いで非常に仲が良く、お互いに親しみを込めて「嬉野んちゅ」、「氷見んちゅ」と呼び合っている彼女の前では弱気だが、実は勝気な性格。
  • 特徴: ヒカルに「レンタル彼氏」になって欲しいと依頼。
  • 物語での役割:とある事情でマコトの結婚を望む父親と拒否したい自身の気持ちに挟まれて苦悩する。ヒカルの結婚相手候補。
◆花巻 トシキ(はなまき としき)
  • 職業: 蟲使い(殺し屋)
  • 性格: 強面でありながら作中屈指の真人間。面倒見が良く、ヒカルを気にかける優しさを持つ。
  • 特徴: 蟲に乗って移動したり、飛んだりするシュールな姿を見せる。結婚式に招待状をヒカルやメイたちに丁寧に送るなど、人柄が伺える。
  • 物語での役割: ヒカルの親友であり、今後も共闘する可能性が高い。結婚式シーンが印象的で、彼の人間味あふれる一面により人気が高い。
◆潮雫(うしお しずく)
  • 職業: 水使い / 暗殺者
  • 性格: プロ意識が高く、報酬に見合う仕事を重視する。
  • 特徴: 綺麗でボーイッシュなショートヘアの女性。結婚相手としても名乗りを上げる可能性があるかは不明。水回り専門のスペシャリスト。
  • 物語での役割: ヒカルとは対立することが多いが、素顔の魅力や成長の可能性が描かれる。
◆鳴子(なるこ)
  • 職業: 殺し屋 / 音使い
  • 性格: 冷徹でプロフェッショナルだが、音に対する強い愛情がある。
  • 特徴: 音を使った暗殺術に長けており、非常にユニークなキャラクター。口癖は「ド感謝」や「ド~」。
  • 物語での役割: 嬉野シオリの暗殺を依頼され、ヒカルとの対決を繰り広げる。個性的なアイテム(ドラム缶やマッサージチェア)を駆使し、ヒカルを苦しめる。
◆中川 桃壱(なかがわ ぴいち)
  • 職業: 殺し屋狩り。読切「ハイパーハードスペシャルミッション」の主人公。
  • 性格: ピュアで純粋な青年。彼女の真倫と一緒に喫茶店を開く夢を持っている。
  • 特徴: 店の平穏を護る為、危険人物(使い手)を排除しようとする過激な一面を持つ。喫茶店を経営するために悪党を始末するという独特な動機。
  • 物語での役割: 殺し屋狩りとして登場し、使い手たちとの戦闘能力を見せつつ、喫茶店開店の夢を持ち続けるキャラクター。
下呂 テルアキ(げろ てるあき)
  • 職業: 毒使い(下呂家)
  • 性格: 下呂家の分家の人間。幼いころヒカルとアカリと共に修行に明け暮れた。下呂家の将来を一番に考え、ヒカルをに並々ならぬ執着と尊敬の念を抱いている。
  • 特徴: ヒカルを「ヒカル様」と呼び、非常に熱心に追いかけている。今後の下呂家の未来を担う中でも重要な存在。
  • 物語での役割: 下呂家の後継者として、ヒカルとどのような関係を築いていくのかが見どころ。今後の展開で敵か味方かの立場が決まるかもしれない。
蔵王 エリナ(ざおう えりな)
  • 職業: 元マフィアのボスの一人娘。ちなつの護り手としての主
  • 性格: 頑固で感情的な一面もあるが、心根は純粋。ちなつを強く慕っている。
  • 特徴: えりなの誕生を機にマフィアから足を洗おうとした父親が殺され、その事を契機に彼女もマフィアから命を狙われていた。父親が生前依頼していたえりなの護り手六人のうち唯一残った一人としてちなつに守られている。ちなつに対して強い信頼を抱いているが、ヒカルの強さを目の当たりにして2人をくっつけようとするようになる。
  • 物語での役割: ちなつとヒカルを繋げようとする一方で、物語を明るく彩ってくれる勝気で幼い見た目のお嬢様。
◆道後 十七子(どうご となこ)
  • 職業: 獣使い(五大名家の一つである道後家の現当主)
  • 性格: 冷徹で計算高いが、ヒカルに対しては挑発的な言動を見せる。
  • 特徴: 巨大な狼を使役しており、ヒカルに対して「私が可愛がってあげましょうか」と挑発的な言葉をかけている。戦闘データを多くの使い手にリークしている。
  • 物語での役割: 五大名家を統一しようとする目的がある可能性があり、ヒカルとの対立が予想される。

作品の見所

1. 主人公・下呂ヒカルのアンバランスな魅力

読者から高く評価されているのが、主人公・ヒカルのキャラクター性です。彼は殺し屋という稼業に生まれながら、内面は優しく少しポンコツなところがや知育菓子が好きなど魅力に事欠きません。戦闘シーンでの強さと婚活や恋愛における不器用さとのギャップが、読者にとっては心地よいポイントとなっており「カッコイイけど可愛い」「ドストライク」という声が多く見受けられます。

2. 個性的かつ魅力的に描かれるキャラクターたち

下呂を取り巻くキャラクターたちも個性豊かで、特にメイとのコンビネーションが人気です。メイは一見美少女なのに男性キャラという非常にユニークな存在で、読者から「人生狂わされてみたい」という反応も多々あります。登場する女性キャラクターたちも非常に可愛らしく描かれており、特にヒカルの婚活に関わる女性ヒロインたちは皆個性的で、笑顔の素敵な人たちばかり。それこそ毎回思わず「この子でいいのでは?」思ってしまうほどなんです。

3. バランスの取れた物語の構成

この作品はバトル要素と恋愛要素、日常的なシーンのバランスが絶妙だと評価されています。異能バトルものとしての魅力はもちろん、恋愛模様やキャラクター同士の関係を上手に絡めることで、物語にテンポの良さが生まれています。特に「恋愛下手な主人公が無理なく成長する」という点が、読者にとって大きな魅力となっています。

4. 斬新な設定とストーリー展開

主題が結婚という一風変わったものでありながら、登場人物たちの「現実的な悩み」と「非現実的な状況」がうまくマッチしています。特に、「婚活」という主題が新しく、読者が予想する展開から外れるようなストーリーの進行が面白いという声が多く、重くなりがちな主題を軽快に描くテクニックが評価されています。

5. 笑いと感動を織り交ぜた話作り

重いテーマを扱いながらも、笑える要素や軽いオチをうまく組み合わせて、読者を飽きさせません。特に「1話のオチに笑っていた」という感想も多く、ギャグ要素とシリアスな部分が絶妙にミックスされています。

6. 絵柄の魅力

純粋に絵が綺麗で読みやすいという点も、読者に好評です。躍動感のあるバトルシーンやキャラクターの表情がしっかりと描かれており、物語に引き込まれます。特にヒロインたちの浮かべる表情の一つ一つは、思わずこちらがときめいてしまうほどの破壊力を秘めています。

作品のテーマ

1. 自己成長と気づき

物語の核となるのは、主人公・ヒカルの成長です。彼は最初、見た目ともに冷徹な殺し屋としてのイメージがありますが、実はとても優しくて、婚活という現実的な問題に真剣に悩む一面を持っています。特に、他人のために自分の弱さや不安を織り交ぜながらどう困難を乗り越えていくかという点が大きな主題として中心に描かれています。彼が心の中で葛藤し、自分の求めるものや叶えたい願いなど、純粋な気持ちに気づいていく様子が描かれていて、読者も一緒に成長を感じることができます。

2. 婚活と一族のしがらみ

ヒカルが抱える「婚活」の問題は、単なる恋愛の枠を超えて、一族のしがらみというプレッシャーとも向き合っています。妹が一族の犠牲にならないため、彼が家業を継ぐ決意をした背景に『結婚して跡継ぎを残さねばならない』という理由が存在するのは、古き日本の結婚に対する価値観やプレッシャーに似ていて、考えさせられる面も多々あります。それでもヒカルは他人のために動ける優しさを持った人間であり、またその中でどう自分を貫いていくのかが物語の大きな主軸と言えるでしょう。

3. 恋愛と人とのつながり

ヒカルの恋愛は、単なる「ドキドキ」のストーリーではありません。彼が他人とどう向き合い、どう心を開いていくかが描かれています。特にメイとの関係が重要で、二人の友情や信頼が深まる様子が温かく描かれています。ヒカルの恋愛に対する不安や戸惑いも、誰しもが共感できる部分で恋愛や人間関係をテーマにした作品として新鮮です。

4. 心の傷と自分らしさ

ヒカルを含む多くのキャラクターたちは、どこか心に傷を抱えていることが多かったりします。家業や社会との繋がりがうまくいかず、自分が何をしたいのか分からないという悩みを持っていたり、はたまた家業や自己を取り巻く環境の特性ゆえにしがらみに雁字搦めにされていたり。しかし、この心情的な意味を含めての傷は物語が進むにつれて少しずつ解消されていきます。ヒカルたちが互いに関係を交えていくことで、一人では消せなかった傷もその癒し方を見つけていけるように描かれています。

5. 現実と非現実のバランス

『マリッジトキシン』では、異能バトルや奇抜なキャラクターたちが登場する非現実的な要素もありますが、その中に当たり前の日常的な悩みや心情がしっかりと絡んでいます。バトルシーンや冒険が展開される一方で、登場人物たちの悩みや心の葛藤が描かれており、そこにリアルな感情が詰まっています。この現実と非現実のバランスがとても上手に表現されています。

6. 価値観の変化と自己受容

ヒカルが物語の中で経験するのはただの「強さ」ではなく、新しい価値観の発見です。彼が妹のため「家業を継がなければならない」という縛られた価値観と、「自分らしく生きたい」という現代的な価値観の両方を抱きながら、周囲に影響されつつも己が受容できそうな自分の道を一歩ずつ見つけていく姿が綿密に描かれています。最初は不慣れな結婚問題に振り回されながらも、少しずつ自分の中にある価値観の変化と向き合いながら目的のためにひた走る姿には共感できる部分も多いかもしれません。

まとめ

『マリッジトキシン』は、ただのアクションや恋愛を描いた作品ではなく、それぞれに事情を抱えた登場人物たちがお互いに影響し合いながら、心をゆっくりと寄せていく過程を描いた物語です。婚活というユニークなテーマを通して、現代的な悩みや家族のしがらみ、人間関係の複雑さがより魅力的に表現されています。

非現実的な要素もありつつ、リアルな感情や悩みがしっかりと描かれている『マリッジトキシン』を是非皆さんも一度読んでみてください。

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ダンジョンで知恵を絞り生き抜く奴隷主人公の壮絶な物語。小説原作、マンガ『迷宮クソたわけ』が面白い!

出典:©原作イワトオ 漫画せいほうけい ニコニコ静画公式サイト

概要

『迷宮クソたわけ』は、イワトオによるファンタジー小説で、名作RPGWizardry」シリーズをベースにした世界観を描いています。物語は、主人公が危険なダンジョンで知恵を絞って生き抜き、仲間たちや街の有力者との関わりを描く内容です。

この作品は、以下のメディア展開が行われています。

1. 小説版

  • カクヨム版: 第6章まで連載中。
  • 小説家になろう版: 「迷宮クソたわけ 奴隷少年悪意之迷宮冒険顛末exit」として連載されており、現時点で第2章まで公開。

2. 商業化

  • 書籍版: 2019年2月28日にKADOKAWAより『迷宮クソたわけ 最弱魔法使いは借金返済のためコツコツ冒険をくりかえす』が出版。
  • イラストは西ノ田が担当。既刊1巻のみで、続巻は未刊行。巻末にキャラクター設定やパラメーターが掲載されている。

3. 漫画版

  • 非商業・公認漫画版: せいほうけいが原作者の許諾を得て、Amazon Kindleで無料連載(更新は不定期)。2023年8月13日現在、52話まで連載中(第一部完結)。ニコニコ漫画でも連載されており、2023年8月13日現在50話まで公開。ジャンプ+のジャンプルーキーにも掲載され、2023年8月13日現在27話まで公開。
  • 商業漫画版: 荻原敦による公式漫画が2022年1月1日からeBookJapanで配信開始。後に小学館eコミックストアでも有料配信され、2023年8月13日現在18話まで連載中。キャラクターデザインはリアル寄りで、等身は高めに設定されている。

あらすじ

『迷宮クソたわけ 奴隷少年悪意之迷宮冒険顛末』は、異世界転生やチート能力が一切登場しない、シリアスな世界観とユーモアが絶妙に交錯するダークファンタジーです。

債権奴隷として迷宮に放り込まれた主人公「ア」は、借金返済のため、命懸けでダンジョンに挑む。名誉も力もなく、持ち物は使い捨ての魔法「火の玉」だけ。迷宮内で待ち受けるのは、魔物や罠、人間による策略。そして、彼を取り巻く仲間たちも一癖も二癖もある連中ばかり。英雄を夢見る戦士シグ、棍棒を振るう女戦士ルガム、短剣使いのヘイモス、盗賊のパラゴ、癒しの魔法を操る少女ステアと、個性豊かな面々と共に、アは数々の試練に立ち向かっていく。

知恵を絞り、嘘をつき、時には命を懸けて芝居を打つ。戦う力がないアは、微々たる幸運を最大限に活用し、必死に生き延びる。そんな中、冒険者組合の依頼で「邪教徒から迷宮を解放せよ」という任務を受け、邪教徒の集団に潜り込むことになるが、彼らもまたアと同じような立場にあることに気づく。そこで、アは初めて「力」を欲するようになる』

主要キャラクター紹介

◆ア

主人公(債権奴隷)

故郷の辺境の村から奴隷狩りに遭い、奴隷商によってオイザッグ城塞都市に売られた少年。名前は「ア」だが、これは登録時に主人がつけた適当な名前で、元の名前は不明。かつては文盲であったが、冒険者育成機関により文字や魔法を学ぶ。魔法使いとしてパーティに参加するが、魔法の才能が特別優れているわけではなく、ヤセ我慢しながらパーティを支えていく。交渉に長けており、パーティ内外で周囲との折衝を担当することが多い。

関係性: シグ(パーティリーダー)、ステア(同じ訓練隊)、ルガム(後に加入)、シガーフル隊の仲間たちと共に冒険をする。

◆シガーフル・マネ(シグ)

役割: パーティリーダー(戦士)

オイザッグ城塞都市の市民権を持つ平民の男で、英雄的気質(ア、曰く)を持ち、冒険者として活躍を目指す。冒険者としての道を志し、アと共に最初の冒険からパーティを組む。少々優柔不断だが冷静で慎重な判断力を持ち、隊のリーダーとして仲間たちを支える。「普通の感覚」を持つ苦労人。アに対しては公平に接しており、奴隷であるアを仲間として扱う数少ない市民の一人。

関係性: ア(仲間)、ルガム(後に加入)、パラゴ(同郷の友)、ヘイモス(親友)。

◆ルガム

役割: 女戦士(前衛)

筋肉質な体格と豪快な性格の女性戦士。元々は羊飼いの平穏な生活を送っていたが、盗賊の襲撃により故郷を失う。襲撃の際に家族を人質に取られたことから、村を守るために戦ったが、逆に村の住人に追われることとなり、オイザッグに逃げ込む。パーティが解散した際、シガーフル隊に加入。明るくおしゃべりな性格だが、恋愛に対しては初心でやや嫉妬深い一面を持つ。

関係性: ア(仲間)、シグ(隊のリーダー)、パラゴ(後に加入)、ヘイモス(仲間)。

◆ステア

役割: 僧侶(回復役)

北方出身の美少女で、「荒野の家教会」の宣教師見習い。回復魔法を使い、主にヒーラーとしてパーティを支える。信仰心が非常に強く、布教活動の一環として冒険者となるが、修羅場には慣れておらず、仲間を失ったショックや恐慌状態を経験している。

関係性: ア(同じ訓練隊からの仲間)、シグ(仲間)、ドロイ(亡き仲間)。

◆ドロイ

役割: 盗賊(パーティの一員)

ア、シグ、ステアらと共に最初の冒険に出るが、宝箱の罠解除の際に失敗し命を落とす。シガーフル隊が崩壊した後、訓練所での仲間だったワデットやゼタとは親しい関係だった。

関係性: ア(最初の冒険仲間)、シグ(仲間)、ステア(仲間)。

◆パラゴ

役割: 盗賊(後衛)

陽気でお調子者な盗賊。戦士としての能力はないが、盗賊技能に長け、状況を打開するために活躍する。ヘイモスとは親友であり、ヘイモスの死後、前衛を担うことになる。家族や故郷を大切に思っており、ヘイモスを蘇生させようと試みたが、最終的に諦めて一時的に故郷に帰る。

関係性: ア(仲間)、シグ(仲間)、ヘイモス(親友)、ルガム(後に加入)。

◆ヘイモス

役割: 戦士(前衛)

巨漢で全身鎧を着用した戦士。パラゴの親友であり、常に鎧をかぶっているが、実はイケメンとのこと。シガーフル隊のタンク役を担い、仲間を守るために戦うが、地下迷宮での戦闘中に「首刈りウサギ」に不意打ちされて死亡する。

関係性: ア(仲間)、シグ(親友)、パラゴ(親友)、ルガム(仲間)。

◆ギー(ブローン・ギー)

役割: 戦士(リザードマン)

南方のリザードマンの部族「アノール族」の出身。族長直属の親衛隊の一員として訓練を受け、オイザッグに武者修行のためにやってきた。戦士として非常に優れた能力を持ち、槍を巧みに操る。酒場の親父の紹介でシガーフル隊に加入する。種族が違うため、最初は人間社会に馴染めなかったが、アとの同居を経て次第に絆を深める。

関係性: ア(同居)、シグ(仲間)、ルガム(仲間)、パラゴ(仲間)。

◆ラタトル商会会長

役割: アの主人(商会長)

オイザッグ城塞都市を拠点に小麦の貿易を行っている商会の会長。アを「奴隷投資」として購入し、冒険者に仕立てて債務返済を求めるが、アに対して暴力的な扱いはしない。アには個室と満足のいく食事を与え、待遇は悪くない。

関係性: ア(所有する奴隷)、シガーフル隊(アの所属する冒険者パーティ)。

◆ブラント

役割: 教授騎士(冒険者指導者)

壮年の紳士で、若手冒険者を育成する「教授騎士」として知られ、多くの冒険者を王国軍に送り出している。治癒魔法や補助魔法も使い、実力者として名を馳せるが、東洋坊主との戦闘で命を落とし、後に復活を果たす。復活方法については教会での儀式によるものであることが示唆されている。

関係性: 若手冒険者の育成係

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見所

1. 主人公「ア」の成長と苦悩

物語の大きな魅力は、最初は無力で何の取り柄もない主人公「ア」が、命懸けの冒険者として成長していく過程です。彼の立場は非常に過酷で、常に死と隣り合わせの状況で戦い続けなければなりません。『最弱の冒険者』という立場から、いかにして生き抜くかという戦いが一つの見所です。アの知恵や頭の回転の速さ、状況分析力が勝負を分けるシーンが多く、彼が一歩一歩成長していくのが面白いです。

2. ダンジョンとその過酷さ

物語はダンジョン探索が中心であり、そこでは仲間が次々と命を落としていきます。死と隣り合わせの危険な状況で、毎回どんな犠牲を払ってでもクリアを目指すという厳しいリアルが描かれています。冒険者としての過酷さをリアルに感じさせる、命の軽さや死に対する感覚が強調されています。

3. キャラクター同士の絆と成長

この作品は、主人公「ア」を中心に仲間たちが少しずつ成長していく姿を描いています。特に、最初はバラバラだった仲間たちが、共に冒険を続けるうちに絆を深め、互いに助け合いながら成長していく様子は感動的です。この絆が物語を前向きに進める力となり、絶望的な状況にも希望を見出していく展開が見所です。

4. 緻密な物語構成とダークな要素

一見オーソドックスなダンジョンものに見えますが、その中には非常にハードでダークな要素が含まれています。死を避けられない現実、過酷な選択、そして報われない犠牲が物語を重苦しくしています。このダークさが、ただの冒険譚にとどまらず、深い人間ドラマや社会的なテーマを掘り下げる力を持っています。

5. 状況分析と戦略的な頭脳戦

主人公「ア」が知恵と戦略で窮地を乗り越えるシーンが多く描かれています。冒険において力や器用さがない彼が、どうやって自分の立場を有利に進めていくかという頭脳戦が本作の魅力の一つです。特に、ピンチに陥ったときの「ア」の冷静な状況分析と迅速な行動がスリリングで、読者を引き込んでいきます。

テーマ

1. 自由と束縛

主人公「ア」は、債務に縛られ、奴隷として扱われていた過去を持っています。この束縛から解放され、自由を手に入れるために冒険者として命を懸けて働かなければならないという状況が、物語の根底にあります。自由を手に入れるためには多くの犠牲が必要であること、そして自由とは何かについて考えさせられる主題です。

2. 命の軽さと死生観

作中では、冒険者たちが次々と命を落とし、死の危険にさらされ続けます。死がリアルで、どんなに強くても死から逃れられないという事実が、物語全体に重い空気を漂わせています。これは、命の価値を問い直すとともに、生きることの難しさを強調しています。

3. 弱さと成長

ア」は最初、力も器用さもない凡人であり、その弱さが物語を支えています。しかし、逆にその弱さこそが彼を成長させる要因であり、知恵と努力で立ち向かっていく姿が物語を引き立てています。

4. 倫理的選択と代償

冒険の中で、主人公や仲間たちはしばしば難しい選択を迫られます。誰かを犠牲にすることで生き延びるのか、仲間を守るために自らが犠牲となるのか。そのような倫理的ジレンマと、それに伴う代償が物語を深刻で考えさせるものにしています。

5. 社会の不平等と階層構造

物語は、奴隷という立場から物語が始まります。社会の底辺に位置する「ア」がどのようにして自分の運命を変えていくのかがテーマとなっています。特に、社会における不平等、金銭的な差、命の価値の違いが大きな問題として浮かび上がります。奴隷の身分でありながら冒険者になった彼がどのようにして社会的地位を築いていくかが、読者の大きな関心事と引き寄せる要素でしょう。

まとめ

迷宮くそたわけ』は、弱者である主人公が知恵を使って厳しい現実を命懸けで生き抜いていくダークファンタジーです。見所は、過酷な状況の中でキャラクターが成長していく姿や、死と隣り合わせの戦闘、そして知恵で乗り越える冒険です。主題としては、自由と束縛、命の軽さ、倫理的選択、社会的不平等などが扱われており、非常に深い内容へと切り込んでいます。

一風変わった冒険ダークファンタジーの世界を貴方も是非味わってみてください。

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幻想的なファンタジー異世界婚姻譚『魔法使いの嫁』をご紹介します!

出典:©ヤマザキコレ TVアニメ「魔法使いの嫁」公式サイト

概要

魔法使いの嫁』(まほうつかいのよめ、英題: The Ancient Magus' Bride)は、ヤマザキコレによる日本の漫画作品で、2014年1月号の『月刊コミックブレイド』(マッグガーデン)で連載が始まりました。2014年9月には、オンライン誌『コミックブレイド』と『月刊コミックガーデン』で同時連載が行われ、2023年3月10日に「学院篇」の95話で一度完結し、その後休載が発表されました。2023年12月21日には『コミックグロウル』(ブシロードワークス)で連載が再開されています。作品の略称は「まほよめ」です。

本作は、2016年にドラマCD化された後、OVA、テレビアニメ、舞台化など、さまざまなメディア展開がされ、特にアニメ化は高い評価を受けました。さらに、2019年からは『マンガドア』にて2つのスピンオフ作品が連載されました。

物語は、少女・羽鳥チセが異世界で魔法使い・エリアスに嫁として迎えられるという奇妙で幻想的な展開が描かれ、ファンタジーと人間ドラマが融合した作品です。

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あらすじ

 羽鳥智世(チセ)は、生まれつき「人ならざるもの」を見る能力を持ち、そのために他人や家族から疎まれ、孤独で不幸な日々を送っていた。そんな辛い日々についに心が折れたチセはある種の自暴自棄に陥り、結果として謎の男の勧めでイギリスに渡り闇のオークションに「商品」として出される。そこで、骨頭の人外・エリアス・エインズワースに500万ポンドで落札されることに。エリアスはチセが魔法使いとして大きな素質を持っていることを明かし、弟子として育てるだけでなく最終的には彼女を妻にするつもりだと告げる。

イギリスでの生活を始めたチセは他にも過去に苦しんだ人々と出会いながら、魔法使いとしての勉強を続ける過程で自身の過去とも向き合うようになる。エリアスの存在と支えのもと、チセは次第に自分の内面と向き合う時間が増えていく。

学院篇 ではチセとエリアスは、魔術師の卵たちが集まる英国の魔法学院に招かれる事に。チセは聴講生として、エリアスは魔法の臨時教師として学院での生活を始めていく。学院で出会うのは、過去の自分に似た少女フィロメラやルームメイトのルーシーなど、個性豊かなクラスメートたち。チセはかつて望んでも得られなかった学生生活を楽しむ一方で、自分が友人たちのために何ができるのという悩みの壁にぶつかってしまう。チセは学院での経験を通じて、魔法だけでなく一人の人間としての葛藤や成長を見せていく。

このようにチセはエリアスと共に新しい環境で過去を乗り越え、自己発見の旅を続けていく中で人間関係や魔法の世界における重要な役割を学んでいきます。

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主要キャラクター紹介

◆ 羽鳥 智世(はとり ちせ)
  • : 種﨑敦美 / 演: 工藤遥(舞台版)
  • 年齢: 15歳 → 16歳(作中の経過)
  • 特徴: 赤毛の少女で、物語の主人公。彼女は「人ならざるもの」を見る能力を持ち、そのために家族や周囲の人々から疎まれ、孤独な人生を送ってきた。精神的に追い詰められ、最終的には自暴自棄となり、命を絶つために身投げを試みるが、そこで「セス」と呼ばれる人物から取引を持ち掛けられる。これを受けて、人身売買のオークションに出される事になりエリアスに500万ポンドで落札され、彼の弟子であり妻となることになる。
  • 過去: 自身の能力によって父や弟と疎遠になり、さらに母親が何者かに精神的に操られて命を狙われた過去がある。そのため彼女は常に孤立し、無力感に苛まれて生きてきた。
  • 「夜の愛し仔(スレイ・ベガ)」: チセは「スレイ・ベガ」と呼ばれる性質を持ち、精霊などを惹きつける特殊な能力を持っている。しかし、その能力を制御できないままでいると命が短命になる可能性があるとエリアスに指摘され、彼の指導を受けることになる。
  • 性格: 生きることに対して消極的で、自己犠牲的な性格を持ち、他者を助けるために自分を犠牲にすることを厭わない。しかし、エリアスとの生活を通して成長し、自己犠牲の悪癖を少しずつ改善していく。
  • 学院篇: 英国の魔法学院に入学し、過去の自分を重ねるフィロメラを助けることで成長する。自己犠牲の意識を少しずつ克服していくが、その代わりに敵対者を犠牲にする選択をするようになり、悔恨を抱くようになる。
◆エリアス・エインズワース
  • : 竹内良太(基本姿) / 木下紗華(女性姿) / 演: 神農直隆(舞台版)
  • 特徴: 異形の魔法使いで、人間ならざる存在。頭は狼か大型犬の骨頭で、ねじれた山羊の角が生えている。金髪の男性や銀髪の少女など、さまざまな姿を取ることができる。彼の能力は非常に強力で破壊的な魔法を得意とし「影の茨」「裂き喰らう城」といった異名を持つ。
  • 正体: エリアスの正体は不明確だが、元々は精霊であり「影に属する存在」または「人間になろうとした精霊」だとされている。彼は肉体を持つ精霊であり、自己を人間として生きようと試みている。
  • 性格: 常に冷静で紳士的だが常識に欠けている部分があり、チセにはあえて何も説明せずに放置することもある。そのため、チセがトラブルに巻き込まれる原因となることも。人間嫌いで世捨て人だが、チセのことを特別に気にかけており彼女の保護者としての役割を果たす。
  • 人間関係: 彼の身分や能力のため教会から監視されており、人身売買でチセを競り落としたり、三つの事件を解決するなどのペナルティを受けているが、基本的には気にしていない。教会とトラブルになることを避けつつも、自由に生きることを望んでいる。
◆シルキー
  • : 遠藤綾 / 演: 広川碧(舞台版)
  • 特徴: エリアスの家に住む家事妖精(ブラウニー)。見た目はボンネットとドレス姿の美しい女性で、エリアスの代理として人間との対応を担当することもある。エリアスの常備薬を村人に販売するなど、家事を手伝っている。
  • 過去: 元々はバンシーで、亡くなった家の主人の死後、行く当てがなくさまよっていたところを丘の防人によって導かれる。彼女は「小さきモノを守る」という役目を果たしている。
  • 性格: 常に無表情で無口だが、感情豊かな一面も持っており、『シルキーちゃん日記』ではその様子が垣間見える。
◆ルツ / ユリシィ
  • 特徴: チセたちが出会った墓守犬(チャーチ・グリム)。元々は黒い犬で、「ユリシィ」という名前だったが、飼い主のイザベルが亡くなった後、墓に付き従って墓守犬となる。チセにイザベルの面影を見出し、使い魔として契約を結ぶ。契約後は犬の姿でいることが多いが、必要に応じて少年の姿も取ることができる。
  • 性格: チセを「妹」と思っており、犬としての本能から彼女に忠実で、彼女を守るために行動する。最初は犬としての姿を保っていたが、契約後は人間の姿も取れるようになる。

見どころ

1. 幻想的なファンタジー世界

魔法使いの嫁』は、魔法、精霊、妖精、神霊など、異世界的な存在が重要な役割を果たすファンタジー作品です。独特の世界観やビジュアルが、幻想的で美しい描写で描かれ、視覚的に楽しめる場面が多くあります。特にエリアスの異形の姿や、魔法の使い方に関する描写が印象的です。

2. キャラクター間の深い絆と成長

主人公のチセは、最初は孤独と絶望に満ちた人物ですが、エリアスとの関係を通じて少しずつ成長していきます。エリアスもまた謎に包まれた存在で、チセとの関係を深めることで感情的に変化していきます。彼らの絆の発展は、物語の大きな魅力の一つです。

3. 豊かなキャラクターたち

文チセとエリアスだけでなく、シルキーやルツ、学院で出会う仲間たちなど、登場人物それぞれに深いバックストーリーと個性があり、彼らとの交流が物語を豊かにしています。特に、チセが学院篇で出会うフィロメラとの関わりや、彼女を通じて自身の過去を乗り越えていく過程が心に残ります。

4. 美しいアートスタイルとデザイン

漫画のアートは非常に詳細で美しく、幻想的なシーンや魔法の使い方、キャラクターの表情が生き生きと描かれています。これらのビジュアルが物語の雰囲気を引き立て、読者を魅了します。

5. 心理的なドラマと感動的なシーン

チセが抱える過去のトラウマや心の葛藤、エリアスの正体や彼の過去が徐々に明らかになる過程は、読者に強い感情的なインパクトを与えます。特にチセが自己犠牲的な性格から少しずつ変わっていく姿や、周囲との絆を深めていく過程には心を打たれるシーンが多くあります。

テーマ

1. 孤独と自己発見

チセは物語の初めで深い孤独を感じており、人々から疎まれ、愛されることなく生きてきました。しかし、エリアスや新たに出会う仲間たちとの関係を通じて、彼女は自分自身と向き合い、少しずつ成長していきます。自己発見の旅としての側面が強調されており、「孤独からの解放」「自己価値の再発見」が大きなテーマとなっています。

2. 愛と絆

チセとエリアスの関係は、最初は師弟関係として始まりますが、次第に深い愛情に変わっていきます。この関係は、単なる恋愛ではなく、互いに支え合い、成長し合う絆として描かれます。特に「愛されることの大切さ」や「他者を思いやる心」の重要性が強調されています。

3. 自己犠牲と成長

チセは初め、自分を犠牲にして周囲を助けることが美徳だと考えており、しばしば自己犠牲的な行動を取ります。しかし、物語が進むにつれて、彼女はその行動が必ずしも周囲に良い結果をもたらさないことに気づき、自己犠牲の精神を見直していきます。このテーマは、成長とともに自己認識を深める過程を描いています。

4. 過去と向き合うこと

チセの過去は、家族や母親との関係、そして自己の能力に対する恐怖と深く結びついています。物語が進む中で、チセは過去のトラウマと向き合い、克服していく姿が描かれます。過去の痛みと向き合い、それを乗り越える力を見つけることが必要なステップ となっています。

5. 異形の存在としてのアイデンティティ

エリアスは人間ではなく、異形の魔法使いであり、彼の存在は常に「異質さ」をテーマにしています。彼のアイデンティティや過去、そして人間性を求める心情が物語の重要なテーマとなります。エリアスが「人間になりたい」と願うことや、その過程が彼自身の成長や自己理解に繋がる部分も、興味深い題材です。

6. 異世界との接点

魔法や精霊、妖精などの存在を描くことで、物語は現実世界との「接点」や「境界」を探求します。人間と魔法的存在が共に生活する世界で、双方の違いを理解し、共存していく方法を模索することもテーマの一つです。

まとめ

文魔法や精霊、妖精などの存在を描くことで、物語は現実世界との「接点」や「境界」を探求します。成長、孤独、自己発見といったテーマを掘り下げながら、チセとエリアスの関係を中心に物語が進行します。美しい描写と感動的なストーリーが、読者を引き込む魅力的な作品です。

もともとは同人作品として出品していたものがたまたま会場を訪れていた編集の方の目に留まり、商業化の話が進んだというのですから魅力の幅がわかりますね。

これまでにない異色の婚姻譚、貴方も是非手に取ってみてください。アニメ化もしているのでそちらもお願いします。

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一昔前の名作漫画、アニメを振り返ろう編①『ARIA』~水の都と癒しの空気が広がるヒーリング漫画~

出典:©天野こずえ 「ARIA」完全版  マッグガーデン 蒼のカーテンコール

概要

『AQUA』と『ARIA』は、天野こずえが描いた未来の火星を舞台にしたヒーリング・コミックであり、日常の美しさと時間の流れを静かに描いた作品です。その舞台である「ネオ・ヴェネツィア」は、地球のヴェネツィアから移設された街並みや風習を持ち、まるで異星でありながらも、どこか懐かしく温かい雰囲気を漂わせています。しかし、この美しい街は、今は火星の大気をテラフォーミングで水に変えた結果、かつてのヴェネツィアのように水上の都市となっています。火星でありながら、水の惑星――それがこの物語の舞台「アクア」の姿です。

あらすじ

物語の主人公である水無灯里みずなし あかり)は、地球(マンホーム)からやってきた15歳の少女。ゴンドラを漕ぐウンディーネになることを夢見て、アクアにやって来た彼女は、ゴンドラ観光会社「ARIAカンパニー」に入社します。ARIAカンパニーには一匹の猫が社長として君臨しており、この猫こそが「アリア社長」と呼ばれる存在です。アリア社長は、航海の安全を祈るために青い瞳の猫をシンボルとしているという、アクアならではの風習を受け継いでいる存在です。アリア社長は実際には可愛らしい猫で、作品中ではその食いしん坊ぶりや、ちょっとしたおちゃめな行動が読者を和ませます。

灯里の先輩であり、ARIAカンパニーの経営者であるアリシア・フローレンスは、「水の3大妖精」の1人と称されるウンディーネのトップ。彼女は「白き妖精(スノーホワイト)」として知られ、ネオ・ヴェネツィアで最も優れたウンディーネの1人として尊敬されています。アリシアは常に優雅で落ち着いており、その笑顔と穏やかな性格は、灯里にとって大きな目標となります。灯里はアリシアのように一人前のウンディーネを目指して、日々努力していきます。

灯里はとても明るく、素直で、感受性豊かな少女であり、初対面の人にもすぐに親しく接することができる性格です。その一方で、恥ずかしがり屋な面もあり、しばしば自分の思ったことを口に出してしまうため、仲間の藍華(あいか)からはよく突っ込まれています。藍華は、アリシアとはまた違った魅力を持つ、少し気が強くて男勝りなタイプの少女ですが、内心では灯里の素直な心に癒されたりもしています。

また、灯里が出会うもう一人の仲間、アリスは、まだ学生でありながらもゴンドラ漕ぎの技術においては一流の実力を持っています。最初はクールで一見冷徹に見える彼女ですが、灯里との交流を通じて、少しずつ心を開いていきます。3人は、それぞれ違う会社に所属していながらも、合同で練習し、技術を磨き、成長していきます。

主要キャラクター紹介

水無灯里みずなし あかり)
  • 声優葉月絵理乃 / 水橋かおり
  • 年齢:15歳(後に16歳に)
  • 誕生日:1月30日(みずがめ座
  • 身長:155cm
  • 血液型:A型
  • 通り名:「遥かなる蒼(アクアマリン)」
  • オールの番号:4
  • 階級:シングル(見習い時代あり、後にプリマに昇級)
  • 特徴:前髪サイドを結んだ長髪、後ろはショートヘア。夜は猫耳付きナイトキャップをかぶる。
  • 性格:天真爛漫で素直。好奇心旺盛で、感動するとすぐに口に出してしまう。
  • 特技:ゴンドラの逆漕ぎ(無敵と言われるほどスピードが速い)。
  • 苦手なこと:冬の寒さ。夜の暗闇。
  • 趣味:メールを送る(実際には宛先は空欄でブログ形式のようなもの)。
  • 居住地ARIAカンパニー3階(屋根裏部屋)。

灯里は地球(マンホーム)から水の星AQUAに憧れてやってきた、常に明るく何事も楽しんでしまような性格の持ち主。ウンディーネになるため惑星マンホーム(地球)から一人で移住してきた。最初は見習いのペアから始め、後に昇格試験に合格してシングルへと成長する。日々、仲間たちと共にゴンドラの操縦や接客のスキルを磨いていく中で、特に藍華やアリスとの関わりを深めていく。

彼女の最大の魅力は、周囲とのコミュニケーション能力とその無邪気さにある。新しい土地で多くの友達を作り、心を開くのが得意。たとえ相手の名前を知らなくても、すぐに親しくなれるその人懐っこさで、ネオ・ヴェネツィアの町の人々と自然に絆を深める。また、目の前の出来事に感動しすぎて恥ずかしいセリフを口にすることも多く、その度に藍華から「恥ずかしいセリフ禁止!」と注意されている。そんな灯里の性格は周りに笑顔と温かさをもたらし、物語を明るく照らしている。

藍華・S・グランチェスタ(あいか)
  • 声優斎藤千和 / 林原めぐみ
  • 年齢:16歳(後に17歳に)
  • 誕生日:2月2日(みずがめ座
  • 身長:160cm
  • 血液型:O型
  • 通り名:「薔薇の女王(ローゼンクイーン)
  • オールの番号:8
  • 階級:シングル(後にプリマ昇格)
  • 特徴:当初は長髪をおさげにしたような髪型であったが、ある事情を経てショートヘアに。
  • 性格:負けず嫌いで勝気、しかし意外と涙もろく、ガサツ。親しみやすく面倒見が良い一面も。
  • 特技:スピードを出すゴンドラ操縦(ただし過剰)。
  • 好きなことアリシアへの憧れ、家業の姫屋を引き継ぐこと。
  • 苦手なこと:冬の寒さ、苦手な人との交流。
  • 口癖:「○○禁止!」最もよく使うのは「恥ずかしいセリフ禁止!」。

藍華はグランチェスタ家の跡取り娘で、家業の姫屋で働く一方、ウンディーネとしても活躍している。最初は灯里とアリシアに会うために友達となったが、次第に本当に仲良くなり、共に練習し励まし合う関係へと成長する。彼女は強い憧れを抱くアリシアに近づきたいという気持ちが原動力となり、ウンディーネとしての実力を向上させていった。負けず嫌いでしっかり者と思われるが、実際はかなり涙もろく、周りの仲間の苦しみに敏感に反応する一面もある。

また、藍華の特筆すべき点はスピードを重視したゴンドラ操縦の癖。過剰にスピードを出しすぎることがよくあり、そこを晃に注意されることも多い。

  • 声優広橋涼 / 齋藤彩夏
  • 年齢:14歳(後に15歳に)
  • 誕生日:9月1日(おとめ座
  • 身長:145cm
  • 血液型:B型
  • 通り名:「黄昏の姫君(オレンジプリンセス)」
  • オールの番号:18
  • 階級:ペア(後にプリマに昇級)
  • 特徴:ライトグリーンのロングヘア、藍色のリボンをつけていることが多い。
  • 性格:無口で無愛想。人付き合いが苦手だが、素直で真面目。
  • 特技:一級品の操舵術、独学での鍛錬。
  • 苦手なこと:社交的な会話や接客。
  • 趣味:散歩、ミステリー小説、ホラー映画。

アリスはオレンジぷらねっとウンディーネで、年若いながらも実力派。ミドルスクールで鍛えた操縦術を活かし、灯里と藍華と出会ったことで次第に三人での合同練習が日課となり実力をさらに高めていく。最初は無口で無愛想、周囲との交流が得意ではなかったが灯里と藍華との関係性を通じて次第に自分の居場所を見つけ、仲間と過ごす時間が大切になっていく。

アリスの最大の特徴はその操舵術の高さ。彼女はペアとして働きながら、着実に成長し、最終的には飛び級でプリマに昇格する。昇格時には「黄昏の姫君(オレンジ・プリンセス)」という通り名を授かり、業界の注目の的となった。社交的な部分ではやや成長を要するものの、その操縦技術は誰もが認めるもの、特に業務面で高く評価されている。

アリスは他の二人に比べてやや内向的だが、まだ14歳という事もあり日々成長することで少しずつ心を開き、灯里と藍華との友情を深めていく。そしてその成長とともに、彼女の独特の魅力が一層輝くこととなる。

アリシア・フローレンス
  • 声優大原さやか / 井上喜久子
  • 年齢:19歳(登場初期)
  • 誕生日:10月30日(さそり座)
  • 身長:165cm
  • 血液型:A型
  • 通り名:「白き妖精(スノーホワイト)」
  • オールの番号:1
  • 階級:プリマ
  • 特徴:美しい金色の長髪、優雅でエレガントな外見、落ち着いた微笑みが特徴。
  • 性格:慈愛と母性に溢れる優しい性格で、常に穏やかで落ち着いている。時折見せるおおらかな振る舞いが魅力的。
  • 特技:卓越した操舵技術、業界全般に精通した知識、接客の腕が非常に高い。
  • 苦手なこと:時折忙しすぎて他の事をする時間が取れないこと。
  • 趣味:通販カタログの閲覧、お酒を楽しむこと。

ARIAカンパニーの正社員で伝説的存在であるグランマの最後の弟子かつ、灯里の先輩。「水の3大妖精」にも数えられる現役最高の実力派ウンディーネであり、その落ち着いた姿勢と美しい操縦術で多くの客に愛されている。彼女の船はとても優雅で、ゴンドラを漕ぐ際には無駄のない動きで絶妙なバランスを取る。幼少期からの才能と努力が彼女を「水の3大妖精」の一人にまで押し上げた。業務をこなすだけでなく、ARIAカンパニーの経営者としても非常に有能で、灯里の成長に日々目を細めながら、グランマの後を継いで会社を支えている。

晃・E・フェラーリ(あきら)
  • 声優皆川純子 / 三石琴乃
  • 年齢:20歳(登場初期)
  • 誕生日:7月29日(しし座)
  • 身長:168cm
  • 血液型:O型
  • 通り名:「真紅の薔薇(クリムゾンローズ)」
  • オールの番号:27
  • 階級:プリマ
  • 特徴:綺麗な黒の長髪をたなびかせる男勝りな女性。
  • 性格:面倒見が良く少し強引なところもあるが、根は優しく、他人を気遣う心を持つ。
  • 特技:接客の腕前が非常に高い。お客様に最高の笑顔とおもてなしを提供する能力。
  • 苦手なこと:お酒。コップ数杯で酔いつぶれる。
  • 趣味:ピザ、紅茶、ワインを楽しむこと。お酒はとても弱いが、食べ物へのこだわりが強い。

晃は姫屋のエースウンディーネで、「水の3大妖精」の一人。アリシアとは幼馴染でシングル時代、同期のいない彼女をひそかに気にかけていた。プリマとなった今でも何かと理由をつけてはARIAカンパニーに顔を出している、その確かな接客技術と指導力で数多くの後進を育て上げた。男勝りで少し強引な面がありながらも、しっかりとした責任感と面倒見の良さで、特に藍華からは内心で非常に慕われている。

アテナ・グローリィ
  • 声優川上とも子(歌唱 - 河井英里) → 佐藤利奈(CREPUSCOLO)
  • 年齢:21歳(原作では22歳表記)
  • 誕生日:12月24日(やぎ座)
  • 身長:170cm
  • 血液型:AB型
  • 通り名:「天上の謳声(セイレーン)」
  • オールの番号:36
  • 階級:プリマ
  • 特徴:銀色のショートの髪形に、褐色の肌。笑う時に表情は変わらず身体を震わせる、少し天然なドジっ子、
  • 性格:気配り上手で優しいが、おっちょこちょい。
  • 特技カンツォーネ(歌唱)、操縦術。
  • 苦手なこと:冗談が通じないこと、朝が弱い。
  • 趣味:読書。

アテナはオレンジぷらねっとのプリマウンディーネで、「天上の謳声(セイレーン)」の異名を持つ実力者。シングル時代からの豊富な経験を活かし、特に歌唱と操縦術において圧倒的な実力を誇る。カンツォーネの歌声は高く評価され、オールナンバー「36」はオレンジぷらねっとのエースナンバーとなっている。

アリスとは同室で、彼女の無口で無愛想な性格を理解し、温かく見守る。ドジっ子な一面があり、周囲からはしばしば呆れられるが、その性格が彼女の魅力でもある。冗談が通じないことや朝の弱さを抱えつつも、仲間との絆を大切にしている。

出雲 暁 (いずも あかつき)
  • 所属: サラマンダー(火炎之番人)
  • 年齢: 18歳
  • 性格: 根は真面目だがお調子者。人々が地球と同じ環境で過ごせるように尽力しており、仕事に対して誇りを持っている。灯里に対しては親しみを込めて「もみ子」と呼ぶ。
  • 特徴: 火星の気候を制御する仕事をしており、その仕事に対して高い志を持つ。アリシアに好意を抱いており、彼女を出会うためにARIAカンパニーに何かと顔を出す。アリシアにはその気は全くなく、灯里との関係の方が自然と深まる。
  • 目標: サラマンダーとして人々のために尽力すること。
アルバート・ピット
  • 所属: ノーム(地重管理人)
  • 年齢: 19歳
  • 性格: 少しオヤジくさい一面があり、学者肌の聡明な青年。真面目で、見た目の割にはしっかりとした言動を取ることが多い。
  • 特徴: 地下で重力の管理を担当しており、地球と同じ重力環境を保つために奮闘している。暁やウッディーとは幼馴染で、藍華とは親しき関係を築いている。
  • 目標: 地重管理を安定させることで、人々が快適に暮らせる環境を作ること。
  • 愛称:アルくん。
綾小路 宇土51世 (あやのこうじ うどごじゅういっせい)
  • 所属: シルフ(風追配達人)
  • 年齢: 18歳
  • 性格: 無邪気で真っ直ぐな好人物だが、方向音痴で地図がないと配達ができないというドジっぷり。裏表がなく、素直な性格。
  • 特徴: 街の配達業務を担当しており、少し間抜けなところがあるが、好奇心旺盛で人々を助けることが好き。
  • 目標: 配達業務を無事にこなし、街の人々の役に立つこと。
  • 愛称:ウッディー
◆天地秋乃(グランドマザー)
  • 所属: ARIAカンパニーの創設者、ウンディーネを引退済み
  • 年齢: 50歳
  • 性格: 穏やかで過去の業績を誇ることなく、常に優し気な微笑みを浮かべている。
  • 特徴: 30年以上にわたって水先案内人業界でトップに君臨した伝説的な人物。今は引退し、田舎で平穏無事な生活を送っている。
  • 目標: 自然の中で静かに過ごし、後進たちを見守ること。
アリア・ポコテン
  • 所属: ARIAカンパニー(社長)
  • 年齢: 不明(火星ネコ)
  • 性格: のんびり屋でおっとりした性格。鳴き声は「ぷいにゅ」と甘えているが、非常に知能が高く、基本的には人間の言葉も理解している。おやつ好きで、ちょっと食いしん坊。
  • 特徴: 青い目を持つ火星ネコで、ARIAカンパニーの創立者であるグランドマザーにより社長に選ばれる。水先案内人業界で猫を社長にするのが伝統となっている。
  • 目標: 社長としてARIAカンパニーを立派に見守り、会社の運営を支えること。

ARIAの見所

ネオ・ヴェネツィア:過去と未来が交差する水の街

ネオ・ヴェネツィアは、地球のヴェネツィアに似た街並みを再現しています。地球のヴェネツィアはすでに水没してしまっており、その風景や建築物の多くはこの「アクア」に移設され、まるで時間の流れが交錯したかのような不思議な街が広がっています。街のいたるところに、古き良き地球の遺産が息づいており、観光の中心はやはり「ゴンドラ」です。水の都としての風景を堪能しながら、観光案内をする「ウンディーネ」の存在が人々の憩いの存在となっています。

アクアの時間:24ヶ月の一年とゆっくり流れる時間

アクアの1年は、地球の2倍の長さで24ヶ月から成り立っています。つまり、アクアの住人たちは、地球の人々のようにあっという間に過ぎ去る四季ではなく、じっくりと長い時間をかけて季節を感じ、流れる時間をじっくり味わうことが求められます。しかし、この長い一年は良いことばかりではなく、例えば「梅雨の時期が2倍になる」という現実――長すぎる梅雨、湿気の多さがもたらす苦労や不便さも描かれます。しかしそんなマイナスの部分も、灯里たちのポジティブな思考や行動のおかげで魅力的に見えてくるのです。

基本、1話完結型の穏やかな日常を描く

ARIA』の魅力は、何と言ってもその「穏やかな日常」にあります。物語は基本的に1話完結型で、1回のエピソードでその季節の風物詩や日常の出来事が描かれます。私たち読者は、灯里たちと共にネオ・ヴェネツィアの美しい風景を感じ、彼女たちの成長をゆったりと見守ることができるのです。灯里はゴンドラを漕いでいる最中にたびたび目移りしてしまう事があり、そのたびに藍華に叱られたりするのですが、別の視点で考えてみれば日常の中のそんなほんの小さな些細な出来事にも気が付けるほど、灯里という人間の感性は豊かで広がりを持っていると言えます。灯里の素直で心温まる性格が物語の端々から垣間見え、癒しを提供してくれます。

また、アリスが最初は冷たい態度を取っていたものの、灯里たちとの交流を経て最終的には飛び級で一人前のプリマウンディーネとなる過程には、彼女の心の成長の喜びがひしひしと感じられます。灯里の純粋さや、アリシアの優しさが周囲の人々に影響を与え、どんどんと良い方向へと導いているのでしょう。

癒しと幻想:心に残る一瞬

物語の中には、時折幻想的なエピソードや、心に残る瞬間も登場します。例えば、時折アクアに現れる「ケットシー」という妖精のような存在。灯里を守護するような存在として現れるケットシーは、物語に神秘的な要素を加え、ファンタジーの風味を少しだけ感じさせます。

さらに、アクアには幻想的で少しだけ怖いエピソードも隠れています。ある夜、灯里は地元の怪談を聞き、その続きに巻き込まれることになります。火星の幽霊話や、ほんのちょっぴり不気味なお話が絡むことで、日常の中にほんのりとした刺激が漂い、物語に深みを与えています。

主なメディア展開

アニメ化

  • 2005年10月:アニメ第1期『ARIA The ANIMATION』(アリア ジ アニメーション)が放送開始。
  • 2006年4月:第2期『ARIA The NATURAL』(アリア ザ ナチュラル)が放送。
  • 2007年9月OVAARIA The OVA 〜ARIETTA〜』(アリア ジ オーブイエー アリエッタ)発売。
  • 2008年1月:第3期『ARIA The ORIGINATION』(アリア ジ・オリジネーション)が放送。

ゲーム

劇場公開

その他のメディア

  • ドラマCDや画集なども発売されるなど、幅広いメディア展開が行われた。
  • ARIA』は、これらのメディアを通じて多くのファンに愛され、シリーズの世界観やキャラクターが広く親しまれてる。

まとめ

ARIA』は、ただの癒し系漫画ではなく、登場人物たちの成長と友情、そして彼女たちが生きる世界の美しさと深さがじっくりと描かれた作品です。読者は、物語を通じてネオ・ヴェネツィアの街並みやアクアの風景に癒されると同時に、登場人物たちの心の成長にも共感し、彼女たちと一緒に歩んでいくことができます。天野こずえ氏の描くこの世界では、時間の流れがとてもゆっくりと感じられ、その中で小さな奇跡や温かな交流が一つひとつ積み重なっていきます。それが、『ARIA』の持つ魅力であり、何度でも読み返したくなる理由なのです。

私自身ずっと大好きで心にいつまでも残っている作品ですので、見た事無いな、という方は是非一度手に取ってもらえたらと思います。

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